オンラインショップ

会員ページ

1月9日、令和3年が始まり、第一回目となる心游舎オンラインワークショップ「書き初め」を開催いたしました。
講師は、ホームページ等で使っている心游舎のロゴの字や、雪姫ちゃんのLINEスタンプの文字などをいつも書いていただいている書家の神郡宇敬先生です。
今回の参加者の皆さんの書き初めは、学問、そして書の神様である菅原道真公をお祀りした北野天満宮にご奉納させていただくことから、北野天満宮禰宜の神原孝至さんにもご参加いただき、いろいろなお話を聞かせていただきました。司会はお馴染みモミゾーこと、心游舎理事の小山良磨さんです。

書き初めは、新年になって初めて毛筆で字や絵を書くこと。試筆、筆始とも言われ、旧暦正月2日に行われてきました。
元々は宮中行事で、若水で墨を擦り、恵方に向かっておめでたい意味の詩歌を書く習慣があり、武家、禅宗寺院を通して庶民にまで広がっていったと考えられています。
北野天満宮では、元旦に初めて井戸から汲む若水を天神様にお供えし、その水を使って神職さんたちの召し上がるお雑煮などを作られるそうですが、その若水で墨を擦り、天神様御遺愛の硯箱と短冊を添えて、筆始祭を1月2日にご奉仕されます。
今回は、たらいに入れた若水と硯箱をご本殿から下ろしてくださり、神原さんが皆さんに見せてくださいました。

そして、神郡先生にバトンタッチし、書き初め開始です。
皆さんの学年に合わせ、先生が書いてくださったお手本は、前もって参加者の皆さんのお手元に届いています。筆の動かし方の練習をしつつ、先生が一人ずつ実際に書きながらポイントを説明してくださいます。
自分の課題の説明のときは、みんな真剣な目で先生のお話を頷きながら聞いている姿が印象的でした。
右払い、左払い、上から下に線を引くときなど、筆を自然に上げるだけできれいに書ける。筆の動きが7、8割で、人間の力をかけるのはほんのわずかでいいというお話には、大人の方が「なるほど。。。」という顔で手を動かしながら聞いていました。

神郡先生は、とにかく褒め上手。どこの部分がよく書けているか、全体のバランスはとれているかなど、一人ひとりに真摯に向き合い、アドバイスをくださいます。
先生に褒められて、はにかみながらとてもうれしそうな子どもたち。こうしてやる気を伸ばすことが、人間としての向上心につながっていくのだろうなと思いました。

限られた時間の中でのワークショップだったにもかかわらず、出来上がった作品は見事なものばかり。
彬子女王殿下は、大人になってから、子どものころからもう少しきちんと書道をやっておけばよかったと後悔されたことから、今回のオンライン書き初めを企画されたそうです。
字には人柄が現れるもの。パソコンやスマートフォンが普及して、日常生活の中で筆を持つどころか、字を書く機会は大幅に減少しています。でも、硯で墨を擦り、姿勢を正して文字を書く時間と言うのは、気持ちがしゃんとしますし、気持ちの切り替えにもつながっていきます。
上手に書こうと思うのではなく、心を込めて字を書くことを大切にしたいと改めて思う機会となりました。

次回のオンラインワークショップは、1月30日。京つけもの大安の大角安史社長が、ご家庭でできるお漬物講座をしてくださいます。
お漬物は好きだけれど、自分で作るのはなんだか面倒…と思われる方も多いと思いますが、お漬物の科学や栄養のお話などを聞くと、お漬物に対する考え方ががらりと変わるはず。
ぜひ楽しみにしていらしてください。

※写真の無断転載は固くお断りいたします。