「日本の伝統文化が生き続けることができる土壌を形成したい」、そしてその核となる子どもたちに「本物の日本文化にふれる機会を提供したい」。そんな彬子女王殿下の思いに共鳴した有志一同で設立した団体が私たち心游舎です。本団体は平成2 4 年4月1日に設立されました。
活動の中心は、子どもたちが日本文化を体験するワークショップを主催、あるいはプログラムを提供することです。たとえば、次世代に伝えたい日本の技の体験、歌舞伎や能などの伝統芸能の公演、世界に誇る伝統工芸の実演、日本固有の風土にふれるキッズキャンプなど、子どもたちが活動を通して、自発的恒久的に日本文化にふれることができる機会を提供します。
団体が主催する活動は、そのすべてを、本団体の主旨に賛同いただいた法人、個人からの会費、寄付、参加費などによって運営されています。
団体の運営、会計、および、プログラムの進行は、心游舎が中心となって行い、本団体の活動は、協賛者、会員、参加者の皆さんにその都度、ウェブ、報告書などをもってお知らせいたします。
日本の伝統文化が生き続ける土壌づくり
共同体で育児をする場の提供
本物の日本文化を伝える現代版寺子屋の創設
ある国固有の伝統文化とは、保存をするものではなく、人々の生活の中に生き続けていくものだと心游舎は考えます。日本の文化がこの先も生き続けるために何ができるのか? そこで私たちが考えたのが、日本の未来を担う子どもたちのことでした。心游舎の最初の目標は「子どもたちに日本の文化にふれる上質な機会を提供する」ということです。
また、核家族化が進んだ今の日本において、家族だけではなく、共同体で子どもたちを育てる場を提案することは、心游舎の大きな使命です。私たちが企画をするさまざまなプログラムは、その活動を通して、参加をした子どもたち、家族、地域の住民たちに今一度共同体の重要性を感じさせるものでありたいと願っています。
心游舎の活動拠点は神社や寺です。かつて神社や寺は、子どもたちにとって非常に身近な場所でした。私たちは神社や寺を、子どもたちに日本文化を発信する拠点= 現代版寺子屋として位置づけます。
心游舎のすべての活動の基本は、子どもたちを対象にしたワークショップにあります。
祭、伝統芸能、伝統工芸など、日本文化の真の魅力は鑑賞をすることだけではなく、体験することで発見し、再確認できると考えています。
きもの、漆をはじめとする日本の文化を象徴する伝統工芸の世界が、今、危機に瀕しています。
生活様式の変化による使用機会の消失、後継者不足による職人の減少など、多くの問題の根底には、幼少時における体験の不足があるのではないでしょうか。
心游舎は伝統工芸の職人、およびその後継者を後援するとともに、子どもたちが伝統工芸に接し、制作過程を学ぶことができる企画を展開します。
歌舞伎、能、文楽など、日本の伝統芸能が日本人にとって特別なものになって久しくなりました。ですが私たちは、日本の伝統芸能はもっと身近なもの、もっとふつうのものであっていいと考えます。
そこで心游舎は、日本の伝統芸能、しかも本物の芸能者による舞台を子どもたちが観る機会を提供します。演者による芸の説明、舞台の体験など、子どもたちが気軽に楽しめる公演を目指します。
美しく移り変わっていく四季。さまざまな顔を持つ豊かな風土。日本文化の奥深さ、多様性は、美しい四季と豊かな風土を生んだ日本の自然に根ざしています。たとえば高千穂と出雲での連続キャンプ。同じ神々のふるさとでありながら、性質の異なる自然と文化を子どもたちはどう感じ取るのでしょう。心游舎のキッズキャンプでは、子どもたちが自分自身で、日本の自然や文化の多様性に気づく場をつくります。