【心游舎 日本茶ワークショップ 開催のご報告】
令和7年5月18日(日)
夏も近づく八十八夜♪ 新茶の季節がやってまいりました。神々が集う岡、京都府神楽岡に鎮座する吉田神社にて人気企画「日本茶のすゝめ」〜五感で味わう、お茶じかん〜を開催致しました。
この日は29℃を越える季節外れの暑さとなり夏が近づき過ぎた感もありましたが、風の吹き抜ける本殿にて正式参拝を行い清々しい気持ちになった後、社務所に移動してワークショップの開始です。
まず始めにトークセッション、パネリストは彬子女王殿下を筆頭に当企画ではお馴染みの一茶庵宗家嫡承の佃梓央さん、福岡の「万」店主の徳淵卓さん、En teaの丸若裕俊さんです。なんと6年ぶりの実地開催となった今回、お茶に対する情熱が並々ならぬお三方が集まり盛り上がらない訳がありません。打合せ通りに行くのかハラハラしておりましたが、今年の新茶の出来や茶摘みから仕上げまでの裏話など軽妙なトークに花が咲き、会場は何度も笑い声に包まれました。
そしていよいよ五感で味わうお茶時間の始まりです。まずは徳淵さんが茶葉の生葉を参加者の机の上にこんもりと置いていきます。茶葉からは青々とした自然の香りがしました。手に取って揉むと香りが一層強くなります。この香りは時間が経ち発酵が進むことで花のような香りに変化するそうです。まさに今ならではの茶葉の魅力を感じました。
続いて佃さんと一茶庵の皆様による玉露の体験会、小ぶりの茶器に淹れられたお茶が運ばれてきます。これに合わせる煎茶菓子は彬子女王殿下が特別にご用意して下さいました。煎茶菓子はかわいらしい大きさで、甘みとお茶の味が拮抗してそれぞれが主役となれるように考えられているそうです。続いて淹れ方を変えた二煎目、そして三煎目と順番に運ばれてきます。舌で味の変化をじっくりと感じる贅沢な時間でした。
次は徳淵さんによるアレンジしたお茶の実験です。急須に新茶、甘夏の皮、木の芽を順に入れてお湯を注ぎ待つこと30秒で出来上がりです。香りはとても爽やかで、意外な美味しさに歓声が上がりました。他にも紫蘇と柑橘系、バジルなどなど色々なアレンジがあるそうです。まさに日本のハーブティーですね。また、徳淵さんが焙烙でほうじ茶を焙じてくださり部屋中がお茶屋さんのような芳しい香りに包まれました。
最後に丸若さんによる水出し茶の実践をしました。水の入ったペットボトルにパックを入れ、皆でシャカシャカと振ります。あっという間に鮮やかな緑色が抽出され水出し茶の完成です。緑茶を飲みたいけど淹れるまでが億劫な時はうってつけの代物です。
今回も三者三様のバラエティに富んだ内容でお茶の魅力を伝えていただき、まさに五感で味わうお茶時間となりました。お茶は常に時代とともに進化している、どれが一般的かではなく変化を楽しむものであり百年先に現代のお茶はどう映るかが楽しみ、とのお言葉が印象的でした。身近にあるようで奥深い日本茶の文化、是非日常にも取り入れていただけたらと思います。佃さん、徳淵さん、丸若さん、吉田神社の皆様、誠に有難うございました。
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