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ご報告が遅くなってしまいましたが、12月3日に、ご好評につき第3弾となる「今さら聞けない神社のお話」シリーズ、今回は神宮大麻と幸運を招く年神様の迎え方をテーマに開催いたしました。メンバーは、心游舎頭脳神職三銃士こと、心游舎理事で東京大神宮権宮司の松山幾一さん、太宰府天満宮の森大郎さん、そしてお久しぶりの登場でも腕の鈍らぬ名司会をしてくださった心游舎サポーターの乾光孝さんです。
はじめに、東京のお伊勢さんとも呼ばれる東京大神宮の松山さんから、神宮大麻の歴史やお祀りの仕方を教えていただきました。もうすぐお正月ということで、神棚のお札を換えられる方も多いのではないかと思いますが、いつどのように換えたらいいのかはよくわからないという方もおられるのではないでしょうか。神宮大麻とは、もともとは伊勢の御師(おんし)がお祓い大麻として配布していましたが、明治になり、皇大神宮を崇拝するために、伊勢の神宮が配布するようになったものです。もともと神宮は、私的なお願いをすることを禁じられていましたが、御師が祈祷を行い、宿泊地を提供したり、案内するなどして、全国の崇敬者と神宮をつなぐ橋渡しのような役割をしていたのだそうです。
神宮大麻は、全国の神社に分かたれて、御師の代わりに今は神社が崇敬者との橋渡しの役割をしているわけですが、「神職の方たちが喫茶店などで、「今年の大麻は…」などと話していると、通宝されちゃったりするんですよね?」と彬子女王殿下が以前聞かれたエピソードを話されると、次の話の準備をされていた松山さんにはあっさり流されてしまいました。「もう少し広がると思ったのに。。。」とぼそり。
神棚は、部屋の天井に近いあたりに南向き、あるいは東向きに飾るのが正式ですが、住宅事情で難しいこともあるので、神棚を大切にお祀りできるところなら、構わないとのこと。一社作りの場合は前から神宮大麻、氏神神社、崇敬神社の順番、三社作りの場合は真ん中に神宮大麻、向かって右に氏神神社、左に崇敬神社のお札をお祀りします。扉は、お正月などのおめでたい機会には開け、普段は閉じておきます。毎日部屋の神棚のお水を換えてお参りをしていると、なんだか気持ちの良いものです。最近はモダンな住宅にも合うような、おしゃれな神棚も出てきていますので、ぜひご自宅で神棚をお祀りしてくださいね。
森さんからは、年神様のお迎えの仕方と年末年始の行事についてわかりやすくお伝えいただきました。お正月の歌と言えば、もういくつ寝ると~♪という滝廉太郎作曲の「お正月」がよく知られていますが、新春かくし芸大会のテーマソングでもあった、年の始めの~♪で始まる「一月一日」もよく知られています。これは出雲大社の宮司で、81代出雲国造であった千家尊福が作詞したものです。心游舎でもいつもお世話になっている千家尊祐宮司様のおじいさまのお兄さまにあたる方です。二番の歌詞に「君がみかげに比(たぐ)へつつ仰ぎ見るこそたふとけれ」というものがありますが、これは天皇陛下のお姿になぞらえて、空を仰ぎ見ることは尊いことだという意味であり、天皇陛下を大切に思う歌であったことがわかります。
年末年始の煤払いなどは、年神様をお迎えする準備であり、鏡餅は年神様へのお供え物、門松は年神様に家に来ていただくための依り代、お年玉は御年魂という意味であり、年神様にお供えした食べ物(お餅)を頂いて、年神様のお力を頂いて、新しい年を災厄なく幸せに過ごすという意味があったことなどを教えていただきました。意味があまりわからないままやっているお正月行事はいろいろとあると思いますが、こうしてしっかり教えていただくと、やる意味を理解して、より大切にしようという気持ちになりますね。
年末の大掃除はなかなか骨が折れるものですが、今年もしっかりとお掃除をして、気持ちよく年神様をお迎えしたいと思います。

 

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