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3月26日、今年度最後となるオンラインセッション「春のお菓子」を開催いたしました。昨年の開催以来、アンケートなどで第二弾の開催を熱望されていた企画で、満を持しての開催となりました。パネリストは昨年に引き続き、鈴懸社長の中岡生公さん、虎屋社長の黒川光晴さん、司会は心游舎理事で六花亭副社長の小田文英さんです。
始まりは日本全国の桜のお話から。小田さんの本拠地北海道は、まだ雪深く、桜が咲くのはゴールデンウィークあたり。梅も桜も同時に咲くと言うのが北海道ならではでしょうか。東京はどうですか?と聞かれて、歯切れの悪い黒川さんは、足の怪我で入院中。ここ数日外に出てはおらず、なんと病室からの配信でした。ここで彬子女王殿下から、京都の桜守の佐野藤右衛門さんに教えてもらったという「桜は満月に向かって咲く」というお話が。今年は桜の開花が早いとか遅いとか言いますが、満月の日を確認すると、大体満月の前後に満開になっているので、そんなに例年変化があるという訳ではないのだそうです。植物の生態と言うのは不思議なものですね。
この時期のお菓子と言えば桜餅。虎屋さんは関東風のもちもちした生地をあんこで巻いたタイプ。長命寺の桜餅が描かれている浮世絵を見せてくださいましたが、視聴者の方から「今も長命寺の桜餅は浮世絵と同じ形の籠で売られています」というコメントを頂き、一同「おー」と感激しました。
六花亭さんは、関西風の道明寺タイプを1月から春の気配を伝えるために販売しているそうです。鶯餅と桜餅が一緒に頂ける時期もあるそうですよ。鈴懸さんはもち米タイプに加え、時期によって関東風も関西風も販売しているのだとか。どの時期に買いに行くか迷ってしまいますね。御三方とも、桜の葉っぱは食べない派だそうです。大島桜の葉が一番毛が少なく、口当たりがいいということで、どこのお店も静岡産の大島桜の葉を使っておられるそうです。花を咲かせずに育てるのだそうですよ。
少し季節は過ぎてしまいましたが、雛祭りのお菓子のお話も。太宰府天満宮幼稚園では、御誕生祭のときに鈴懸さんのお菓子を食べていますが、みんな和菓子が大好きで、粘土で和菓子を作ってお店屋さんごっこをしたりしているそうです。お雛様の和菓子を粘土で作ったものは、本物と見紛うばかりで、中岡さんが「将来鈴懸の職人に!」とスカウトされたほどです。
最後は菓銘のつけ方のお話。虎屋さんは、江戸時代から伝わる和菓子の絵と菓銘が書かれた見本帳をお持ちですが、昔は見本帳を見ながら、こういうものをと注文を受けていたそうです。桜のお菓子だけで70種類もあるそうですよ。虎屋さんはもともとの菓銘を使われることが多いですが、鈴懸さんは、スタッフの方がお菓子のイメージで決められることが多いとか。六花亭さんは、ニシンが産卵のために沿岸に押し寄せ、海が白く見える「群来(くき)」という銘のお菓子があることを教えてくださいました。北海道ならではの銘ですよね。
最後に視聴者の方からのご質問に少しだけお答えする時間がありましたが、今回も充実した内容で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。4月1日で社長になられる小田さんは、このオンラインセッションが対外的に副社長としてする最後のお勤めでした。来年は、社長トリオによるセッションが見られると思いますので、ぜひ楽しみにしていらしてください。
4月1日で心游舎は10周年を迎えます。来年度の10周年イヤーは、今まで以上におもしろい企画を考えていければと思っておりますので、今後ともご支援ご協力を頂けましたら幸いです。まずは4月9日、10日に迫りました太宰府天満宮での歌舞伎をご期待ください。

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