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6月26日、今年度2回目となるオンラインお料理教室を開催いたしました。今回のテーマは「七夕」。祇園川上の加藤宏幸さんに、七夕にちなんだ茄子そうめんの作り方を教えていただきました。司会は、和樂Web編集長の高木史郎さん。彬子女王殿下も、割烹着姿で川上さんに出張され、お料理教室に参加されました。

今回のお料理は、「茄子そうめんの天の川仕立て」。そうめんは、索餅(さくべい)という、米粉と小麦粉を練った生地を縄の形にねじり、揚げた唐菓子が原型と言われています。中国で、7月7日に熱病で亡くなった帝の子どもが、鬼となって疫病を流行らせたことがありました。その子の好物であった索餅をお供えしたところ、疫病が収まったという故事にちなみ、7月7日に日本の宮中でも疫病除けのおまじないとしてお供えされ、食べられるようになったようです。この索餅がそうめんとなったそうですが、そうめんを天の川に見立てているとか、織姫の織り糸に見立てているとか、いろいろな説があるようです。

この七夕に食べるそうめんを、加藤さんは茄子で代用。茄子そうめんを天の川に、牛飼いであった牽牛を牛肉に、機織りであった織姫の織り糸を白髪ねぎに、オクラを星に、野菜と薄焼き卵を短冊に見立てて、七夕の節句料理を表現してくださいました。

用意する材料は、普通にスーパーで手に入るものですが、下ごしらえに少々手間がかかります。まずはお出汁に味付けをし、追いがつおをして、氷水で冷まし、漉します。そして、野菜の下ごしらえに行こうとしたら、高木さんからの無茶ぶり。薄焼き卵の作り方を見せてほしい!と。裏方のお弟子さんたちが一瞬固まっていましたが、さすがの対応力。ここ何十年も作っていないという加藤さんが、見事なプロの技を見せてくださいました。卵液は手前に流し、前後左右に鍋を振って、均等に伸ばしていきます。縁をお箸で鍋からはがし、上三分の一のあたりにお箸をかけ、端っこに息をフッとかけるときれいに剥がれます。マスクをしたままの加藤さん、フッと吹いても卵が落ちてこなかったのは御愛嬌です。

きゅうりは端の方の皮をむき、塩摺りをして、数十秒火に通します。オクラは、竹串の太い方を使って種を取り、塩摺りをして軽く下茹で。人参も短冊形に切って下茹でします。ここですぐに氷水に取ると、色がきれいに出ます。牛肉は、60度くらいのお湯でしゃぶしゃぶして、まだ赤さが残るくらいで氷水に取り、水気をしっかりクッキングペーパーで取るのがポイントです。茄子はピーラーなどで皮をむき、水にさらしてアクを抜きます。マッチ棒くらいの細さに切って、片栗粉をまぶして茹でます。このとき茄子に水分があると、片栗粉がだまになってしまいますので注意しましょう。茹で上がったら水分を切り、器に天の川の様に盛り付けていきます。盛り付けが崩れないように、下の方からお出汁をはって完成です。

途中からお手伝いを始められた彬子さま。その流れで「盛り付けもやってみましょう」と加藤さん。「え~、そこはプロが~」と拒否しておられましたが、きちんと「それらしく」仕上がりました。本物のそうめんでも、サツマイモなどで代用してもおいしいそうですよ。これから夏本番のぴったりのお料理なので、ぜひ作ってみてくださいね。

次回のお料理教室は、8月28日。木山の木山義朗さんに菊の節句のお料理を教えていただきます。そして、次回のオンラインセッションは、7月24日の夜。旧暦6月16日、嘉祥の儀に際して、16歳の子女がいるときだけ行われたという月見の行事をテーマに、早稲田大学特命教授のロバート・キャンベル先生、虎屋文庫の相田文三さんとご一緒に、実際に月を眺めながらお話する予定です。お月見のときに用いられたという「月見饅」一体どんなものなのでしょうか。会員以外の方もご視聴いただけますので、ぜひご参加くださいませ。

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