4月17日、オンラインで心游舎の総会、及び今年度一回目となりますオンラインセッション「年中行事」を開催いたしました。
昨年はコロナ禍で中止せざるを得なかった総会ですが、今年はオンラインの形ではありますが、会員の皆様にご参加いただき、開催できましたことに安堵しております。
第一部の総会は、昨年度まで4年間にわたり、代表理事を務めてくださった森川太郎さんより昨年度の事業報告、今年度より代表を引き継いでくださった小山良磨さんより今年度の事業計画について発表、それぞれご挨拶を頂きました。心游舎の相談役である出雲大社の千家尊祐宮司様、太宰府天満宮最高顧問の西高辻信良宮司様からもご挨拶の動画を頂いていましたが、機器の不良で再生できず、後日会員の皆様にはお送りさせていただくこととなりました。
接続不良の間は、彬子女王殿下が場をつなぐための小話をされ、森川さんとも掛け合いをされながらの事業報告となり、とても和やかな空気感の総会となりました。去年は23回のオンラインセッションを行い、本当にたくさんの方々にご参加いただきました。会員になってくださった方も随分と増え、心游舎スタッフ一同大変ありがたく思っております。
休憩を挟んで、第二部の年中行事のセッションは、京都産業大学の小林一彦先生、中部大学の深谷圭助先生をお迎えし、司会は上賀茂神社権禰宜で心游舎理事の乾光孝さんが務めてくださいました。心游舎は来年の4月で10周年を迎えますが、10周年の記念事業として、子どもでもわかりやすく年中行事のことを知ることのできる書籍の出版の計画をしています。日本には様々な年中行事がありますが、その意味があまり知られていなかったり、桜餅や柏餅を食べる日としてしか認識がなかったりします。年中行事は季節や儀礼、祭礼と深く結びついています。年中行事を大切にすることが、日本文化を大切にすることにつながり、年中行事をしっかりと生活の中で取り入れることが、心游舎の目標とする「日本文化を生活の中に生かす」ことにつながっていくと思うからです。
パネリストの皆さんの年中行事の思い出からセッションは始まりました。彬子女王殿下は、子どものころからお正月は行事が多く、お客様も多いので、寝正月など考えられなかったこと、でもその忙しさがないと新しい年が来た気がしないというお話をされました。小林先生は、端午の節句の日に家族総出でお餅をついて、柏餅を作ったこと、深谷先生はお正月やお盆行事のときに、近所のお寺さんである餅撒きが楽しみだったという思い出をお話しくださいました。
また、小林先生から、年中行事は平安時代頃に端を発するものが多いこと、節句は節供という意味で、節目節目に神様にお供えをして、そのお下がりを皆で頂き、分かち合う(宴)ことに意味があるのだと教えていただきました。お節句のお料理に独特なものが多いのは、季節ごとに神様をお喜ばせするために作られたものだからなのですね。また、夏越の祓、上巳の節句、人日の節句など、疫病が流行りやすいときに、災厄を祓うものを食べるという意味もあります。今より疫病と言うものがとても身近にあったということなのでしょうね。このコロナ禍で、年中行事の意味を今一度考えるきっかけにもなったような気がします。
深谷先生からは、幼稚園では年中行事を取り入れた教育が盛んですが、小学校では、政教分離の観点から、なかなか年中行事が取り入れにくくなっていることや、「地域の文化を知ろう」という社会科や生活科の授業の中で年中行事を学ぶ機会があることなどを教えていただきました。音楽の授業では、年中行事にまつわる歌は普通に教えられるそうなので、おもしろいですね。また、制服の衣替えと大掃除は立派な学校の年中行事になっているそうです。
死と隣り合わせと言う感覚が今よりも間違いなく強かったであろう時代に年中行事の基礎は作られています。仲間と集まり、同じものを食すということがなかなかできない今の時代だからこそ、年中行事をより大切にしなければという思いを新たにいたしました。
来週からは、早速今年度のオンラインお料理教室がスタートします。4月24日の一回目は虎屋の森山一幸工場長に端午の節句の柏餅の作り方を教えていただきます。出来立ての柏餅は信じられないくらいのおいしさだそうですよ。楽しみにしていらしてくださいね。
年中行事のアーカイブ
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トピック: 心游舎オンラインセッション「年中行事」
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