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3月14日、アンケートでもご希望が多かったテーマ「きもの」をテーマにしたオンラインセッションセッションを開催いたしました。パネリストは、千總文化研究所の加藤結理子さんと千總の商品開発を手掛けるプロデューサーの今井淳裕さん、司会はめがちゃんこと和樂ライターの高橋亜弥子さんです。

まずは、加藤さんからの着物の歴史のお話から始まりました。平安時代は、いわゆる十二単で、色合わせや単調な模様の繰り返しでおしゃれを楽しんでいましたが、彬子女王殿下が即位の礼でお召しになった十二単は「12キロあって、歩くためにはできていない」と言われるとおり、動きやすいものではありません。武家の時代になり、十二単のような大袖では動きにくいということで、十二単では下着であった袖の小さい小袖を表着として着るようになりました。桃山時代までは、女性も胡坐や立膝だったので、膝が隠れるように身頃の広い小袖をふわりと着ていましたが、江戸時代になると正座をするようになり、身頃は狭く、帯は広く変化していきます。そして、江戸後期くらいから外に出るときは裾を紐を使って端折るようになり、現代につながる着物の形が作られていきました。

次は今井さんにバトンタッチ。友禅の反物がどのような工程で作られるのか、反物から着物をどのように形作るのか、デザインはどのようなパターンで考えるのかなど、わかりやすく説明してくださいました。圧巻だったのは、デザインの実演。雛形に、木炭を使ってさらさらと桜をモチーフにした着物のデザインを描き上げてくださいました。指や鳥の羽を使ってぼかすテクニックには思わずため息。たった数分、写真なども見ずにあっという間に描きあがった桜の着物には、彬子様もめがちゃんもすごい!の一言でした。

そして、千總さんが製作された京都の名所をモチーフにした振袖を使いながら、デザインをどのように考えられたのか、デザインのポイント、飾ったときと着たときの見え方の違いなど、実際にモデルの方に振袖を着ていただき、解説していただきました。今までのオンラインセッションでは間違いなく一位になるくらい、視聴者の方からの質問が多く、皆さんの関心の高さがうかがえました。デザインにパソコンは使わないのか、袖のたもとの穴はなぜ開いているのか、おはしょりで隠れてしまう部分にも模様を描くのはなぜかなど、多岐にわたる質問がありましたが、それぞれ今井さんと加藤さんが真摯にお答えくださいました。

終了後のアンケートでも、着物に関するセッションをシリーズ化してほしいというお声が多くありましたので、また企画をいろいろと考えていきたいと思っております。

次回は、3月29日に江戸文化をテーマにしたオンラインセッションを開催いたします。江戸文字書家の橘右之吉さん、歌舞伎俳優の坂東彌十郎さんにご登場いただき、江戸の花見や歌舞伎、着物など、粋な話をいろいろと聞かせていただきます。平日夜の時間帯になりますので、お酒でも片手にゆったりとご参加いただけたらと思います。

 

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