9月20日、上賀茂神社・京都産業大学京都文化特殊演習・心游舎の共催となりますオンラインワークショップ「言の葉ミュージシャンになろう~作って詠もう和歌の世界~」前半を開催いたしました。
彬子女王殿下が受け持たれている京都産業大学のゼミの学生たちが、上賀茂神社で開催する心游舎のワークショップを企画・運営するという試みも今年で4年目になりました。
今年はオンライン開催ということで、授業もすべてオンライン。学生もスタッフも一度も顔を合わせることのないまま、4か月にわたって準備を重ねてきました。
今年のテーマは和歌。
京都産業大学名誉教授で、歌会始の選者も務められている永田和宏先生を講師にお迎えし、学生たちが子どもたちにも気軽に和歌の世界に触れてほしいと企画したものです。
いつもは現地でご挨拶いただく上賀茂神社の田中安比呂宮司も、今回はビデオメッセージでのご登場となりました。
最初は、永田先生から和歌(短歌)とは何かというお話をして頂きました。
与謝野晶子の「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に」という歌に惹かれて、ご自身も歌を詠まれ始めたこと、歌会始や新聞の歌壇に投稿された小学生の詠む歌ののびのびとした魅力などをお話してくださり、なんだか和歌って難しいんじゃないかと思っている子どもたちの少し緊張した顔が少しずつ柔らかくなっているのが感じられました。
次は学生たちが、和歌に詠まれている季節感を知ってもらうためのクイズや、歌の穴埋めクイズをZoomのチャット機能を使って行いました。
紅葉と言えば。。。秋。。。紅葉を詠んだ歌と言えば。。。と連想ゲームのように、自然と和歌の世界に引き込まれていきます。
「ウミウシに話しかけたら( )ような気がするからやめておく」という歌の穴埋めクイズでは、「不審者な」「とける」「やばい」などいろいろな答えが出ました。
正解は「長くなる」ですが、答えがひとつでなくてよいのが歌の魅力だと永田先生はお話しくださいます。
表現ワークでは、一つの歌からどんな世界が読み取れるか、参加者の子どもたちに紙に絵を描いてもらい、発表してもらいました。絵が上手なお友達がたくさん!歌の意味がきちんと伝わっているようで、わいわいがやがや楽しい時間でした。最後に本来であれば見てもらうはずだった上賀茂神社の春夏秋冬の風景を、上賀茂神社の乾さんが写真と和歌とともに紹介してくれました。「風そよぐならの小川の夕暮れは禊ぞ夏のしるしなりける」で有名な「ならの小川」は、「奈良」ではなく「楢」というお話に、「あ、そうか」という顔をしている子どもたちがちらほらいました。
次回のワークショップは10月4日。前半で学んだ知識を生かして、子どもたちにはそれぞれ歌を作って提出してもらい、オンライン歌会を開催します。子どもたちの歌集は、10月1日の上賀茂神社の月並祭で、ご神前にお供えされます。子どもたちがどんな歌を作ってくれるのか、みなでわくわくしながら待っているところです。
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