2月3日(土)
山形県の東北芸術工科大学、文化財修復センターにて
「世界に誇る和紙」と題しワークショップを開催しました。
講師として、
東北芸術工科大学芸術学部文化財保存修復学科の
杉山 恵助教授をお招きし、参加した子ども達と一緒に和紙について勉強しました。
まず最初に和紙の作り方について。楮(こうぞ)という原料から和紙が出来上がるまでの工程を、スライド写真を見ながら学びました。
初めて手にする和紙の原料に、子供たちは興味津々といった様子でした。
次は和紙の強さを体感するワーク。
和紙 vs 洋紙 でひっぱり相撲を行いました。
なんと、洋紙3枚に対して和紙1枚でも和紙の方が破れなかったのです。その時は子どもたちから大きな歓声があがり、一緒に参加した大人たちからも驚きの声が聞こえてきました。
その秘密を知るために顕微鏡で紙を拡大した写真を見ました。画像を見ると、洋紙よりも和紙の方が繊維が非常に長いために紙として丈夫なのだという事が良くわかりました。
実は和紙の薄くて強い性質は世界中で活躍しています。
有名な西洋画や紀元前の手紙など、ありとあらゆる貴重な文化財の修復に「和紙 WASHI」が使われていることは多くの人に知って頂きたい事実です。まさに「世界に誇る和紙」 を実感した瞬間でした。
最後に、大英博物館の修復作業をイメージしながら、和紙の裏打ち作業に挑戦しました。裏打ちとは書道や掛け軸において作品をきれいに張り付ける際や作品を補強したりする時に使われる技術です。しわを伸ばしたり作品の強度を増すことができます。
子どもたちは、大学生ボランティアのお兄さん、お姉さん達に熱心に裏打ち作業を習いました。最初は「はけ」の動かし方に苦労しながらもしわ無く綺麗に紙を貼れた時にはとても嬉しそうにしていました。彬子女王殿下は子どもたちの一生懸命な様子を後ろから暖かく見守って下さいました。
ワークショップ全体を通し、子ども達から活発に質問が飛び、実践的な裏打ち作業を行いながら、文化財修復に関する新しい発見や知識の共有が行われました。きっと子どもたちは和紙の質感、力強さ、香り、肌ざわり、、、そういった良さを五感で感じてくれた事と思います。今回の参加をきっかけに日常生活においても手紙を書いたり、書道をしたりと和紙の素晴らしさに触れる機会がより増えることを期待したいと思います。
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