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6月25日、「太鼓の達人の太鼓の話」と題したオンラインセッションを開催いたしました。パネリストは、宮本卯之吉商店の宮本芳彦社長、En tea主宰の丸若裕俊さん、司会は心游舎理事で六花亭社長の小田文英さんです。
太鼓は、随分前からアンケートでも取り上げて欲しいという声の大きかったテーマです。小田さんの妹さんが宮本さんに嫁がれているというご縁もあり、「義兄弟セッションやってくださいよ」とお願いして、実現の運びとなりました。
宮本卯之助商店は、雅楽、能、歌舞伎、民俗芸能などで使われる様々な太鼓や、お神輿、祭礼具などを作っておられます。太鼓と一口に言ってもいろいろあり、木をくりぬいて革を張った長胴太鼓、鉄輪に革を張り、紐で締めた締太鼓、胴が桶になっている桶太鼓、胴がない団扇太鼓などがあります。古墳時代の太鼓の埴輪も出土しており、縄文時代くらいから作られていたのではないかと言われています。
宮内庁楽部に納められている日輪と月輪がついた大きな鼉太鼓 (だだいこ)なども宮本さんのところの製品です。鶏婁鼓(けいろうこ)という楽器は、特殊な曲にしか使われないため、前回作ったのは20年前。そのとき若手で手伝った人がいたので、どうにか再現することができたとか。どういう風に使われるのかは、宮本さんも「見たことがないので知らない」そうです。
小鼓は、幼馬の革を使っており、湿気がないといい音がせず、孫の代くらいに調子がよくなるものだそうですが、大鼓は大人の馬の革を使い、使う前に炭の火などで乾燥させ、指皮を使って高い音を出します。乾燥させて、強めに張るので、3回くらいで張り替えなければいけなくなったり、演奏の途中で調子が悪くなり、取り換えることもあると言います。楽器もいろいろ特性があっておもしろいものですね。
今回は特別に、職人さんが太鼓を作られるところを見せて頂きました。一本の木をくりぬいて太鼓を作りますが、大きな木を入れ子のようにくりぬいて、中くらいの太鼓、小さい太鼓用の胴も作るのだそうです。胴を鉋がけしますが、壁には大量の鉋があり、角度に合わせて変え、一人が20種類くらいの鉋を使い分けて作るのだそうです。現地リポーターの丸若さんは、ここまでほとんど仕事をしてくれませんでしたが、鉋をかける前とかけた後は、全く別の素材かと思うくらい手触りが違うとのことでした。
やはり、オンラインでは伝わり切らない太鼓の魅力。今度は対面のワークショップをしたいねというお話になりました。心游舎も少しずつ対面のイベントを復活させていきたいと計画中です。
次回のオンラインセッションは7月10日。今年度の神話シリーズの第一回。万九千神社の錦田剛志さんの魅力あふれる神話のお話。今度は天の岩屋のお話です。奮ってご参加ください。

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