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2月27日、今年度最後のオンラインお料理教室「上巳の節句」を開催いたしました。講師はごだん宮ざわの宮澤政人さん、司会は和樂Web編集長の高木史郎さんです。五節句のお料理教室最終回にふさわしい、春らしく華やかなちらし寿司を教えて頂きました。
参加者の皆さんには、前日からどんこ椎茸を戻して炊く、錦糸卵を作る、ご飯が4時に炊き上がるように、前持って準備をして頂きました。2年目のお料理教室となると、皆さん慣れたもので、準備はばっちり!という状態で、お料理教室が始まりました。
お料理教室は初めてということで、出だしは緊張気味だった宮澤さん。高木さんに、店名の由来を聞かれ、「そんなに深い意味はないです」と答えられ、「ほんまかいな!」と突っ込まれてしどろもどろになられる場面も。でも、料理の工程が進んでいくごとに、お料理に対して真摯に向き合われる宮澤さんのお人柄がにじみ出て、皆さん心をぐっとつかまれていたようでした。
まずは、甘酢作りをし、冷ましてから、野菜を湯がいていきます。一つの鍋で湯がきますが、人参は色が出て、生姜は味が出てしまうので最後に。緑の野菜から湯がきますが、野菜と対話をしながら、どうしてほしいかを聞くと宮澤さんは言われます。やわらかいほうが好きな人は長めに、しゃきっとした歯ごたえを出したいなら早めに湯からあげ、ひと口めおいしいなと思って欲しいからと、きぬさやはザルに上げた後に少し塩をし、菜種は昆布塩水につけます。宮ざわのお料理は、最初から最後までやさしく、大将のお人柄が現れていますが、「大将のお料理がやさしい理由がわかった!」と彬子女王殿下も仰っていました。
寿司酢を次に合わせますが、御酢が飛んでしまわないように、砂糖が溶けたら鍋ごと氷水に取って冷まします。飯台は水を張って、しっかりと水分を含ませ、布巾で余分な水分を拭きとります。炊き立てのご飯を飯台に移し、寿司酢を上からかけます。すぐに団扇で扇ぐのかと思ったら、まずは寿司酢とご飯をなじませるためにすばやくしゃもじで混ぜます。ご飯をひっくり返して、もう一度。そこから一気に扇いで冷ますのだそうです。「唯一できるお手伝いだと思っていたのに、タイミングを間違えた。。。」と彬子さま。
「使えないアシスタント」と自称され、パタパタ以外のお手伝いはしないと言っておられましたが、無茶ぶりで錦糸卵を切ることに。糸のようにふわりと美しい宮澤さんのお手本を見て、「いややー」とぶつぶつ言われながらの千切りは、宮澤さんに「あーでも、彬子さまちゃんとお料理されるんですね」とお褒め?の言葉をもらわれていましたが、宮澤さんのお手本にしれっと混ぜて、目立たないようにしておられました。
器に半分だけご飯をつめ、間に海苔と椎茸を敷き、ご飯を乗せ、錦糸卵や野菜をトッピングして完成です。海苔は大好きだけれど、うすい豆には興味がない宮澤さん。海苔を炙るのに15分ほどの時間を使い、椎茸を煮る時間がなくなりました。そして、うすい豆をのせずにちらし寿司を完成させてしまった宮澤さんに横から、「うすい豆!」と小さい声が聞こえてきました。食材に対する愛情が、このような形で出るものなのですね。
来年度のお料理教室第三シーズンは、お節料理の予定です。川上、宮ざわ、木山という三点の味を一つのお重に入れられるなんて、とても贅沢ですよね。ぜひ奮ってご参加くださいませ。ちなみに、彬子さまと宮澤さんがつけておられたエプロンは、4月から発売開始予定の一澤帆布製心游舎オリジナルエプロンです。来期以降のお料理教室の際にぜひお役立てください。
次回のオンラインセッションは、3月26日。昨年も好評を博しました、虎屋、鈴懸、六花亭の御三方による日本縦断お菓子会談第2回を「春」をテーマに開催いたします。どうぞお楽しみに。

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