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ご報告が遅くなってしまいましたが、1030日に3回シリーズとなりますオンラインセッション「日本神話」の第一回「国生み神生み」を開催致しました。講師はお馴染みオロチ先生こと万九千神社宮司の錦田剛志さん。司会は和樂ライターの高橋亜弥子さんです。

このシリーズは、古事記の本文を錦田さんに解説していただきながら、少しずつ読んでいくという企画です。まずは、昨年のセッションでも取り上げた古事記の成立についてのお話から。そして、高天原に最初に生まれた神様についてのお話です。最初に生まれた三柱、五柱の神々は、生まれてすぐに姿を隠してしまいます。その後生まれた伊邪那岐命、伊邪那美命を始めとする七柱の神々を神世七代(かみよななよ)と言います。今はちょうど七五三の時期で、神社に着物姿のかわいらしい子どもたちの姿をよく見かけますが、357と神々が生まれていくというのは、やはりこの数字に大きな意味があるからなのでしょうね。

伊邪那岐命、伊邪那美命が天の浮橋から、天の沼矛を突き立ててかき回し、ポタポタと落ちた塩が固まり、おのごろ島ができます。これは、淡路島付近の沼島とも絵島とも言われています。日本始まりの地はどこなのでしょうか。どこだかわからないというのも、またロマンなのかもしれません。この島に降り立って、伊邪那岐命、伊邪那美命は、結婚をするわけですが、天上に届くほどの天の御柱と八尋殿という広い御殿を建てます。地から天に向かって立てる柱、あちらとこちらを渡す橋、食べ物を口に運ぶ箸には、全て「はし」が入ります。これは、神と人をつなぐものという意味なのではないかと錦田さんが教えて下さいました。なんだか「はし」を見る目が変わってきそうですね。天の御柱の周りを巡り、会ったところで結婚がなされたということで、「めぐりあい」という言葉が生まれたそうですよ。

結婚のときに、女の方から声をかけたのがよくなかったというのは男尊女卑だという考え方もありますが、これは男性が女性を訪ねる妻問婚の価値観が反映されたものであり、男性からプロポーズした方が結婚生活うまくいくよというメッセージがこめられているのだというのが、山の神に頭が上がらない錦田説です。

最後に、皆でおのごろ島の誕生の場面を、錦田さんの先導で朗読しました。「塩こをろこをろにかきなして」の部分が彬子女王殿下はとてもお好きで、カレーなどのお鍋を「こをろこをろ」と今もかき混ぜておられるそうです。声に出して読むと、とてもリズムよく読める古事記。ご自宅でも、ぜひ読んでみてくださいね。

次回のオンラインセッションは、1113日。京繍の伝統工芸士である長艸敏明先生に刺繍について教えて頂きます。脱線したお話も面白い長艸先生。ぜひご参加くださいませ。

 

 

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