江戸文字のはじまりと変化
令和元年11月5日 神田神社にて 「おとな心游舎」 橘流寄席文字・江戸文字書家の橘右之吉先生をお招きして講演会「江戸の粋」を開催いたしました。 神社や歌舞伎、落語などの会場で江戸文字をご覧になられたこともあるかと思いますが、どのようにしてその文字は作られていったのでしょうか? 江戸幕府は、我流の崩した書き方の文書から起こるであろう読み違いのトラブルを避けるため、御家流を公用書法として採用し、高札や制札、公文書の統一をはかります。そうして御家流の書法は公の書法として全国に広くいきわたります。 その公文書用の書法が庶民の手に渡ると、それぞれの職分のなかでさまざまに変化していき、町衆の香りが漂うものになっていきました。芝居文字や相撲字、寄席文字などのはじまりです。その町衆の香りの中には江戸の粋も存在していて、文字の中に見ることができます。 その例として絵文字を使った表現や、老舗デパートや寝具店にみられる、ひげ文字、牡丹字、また「一斗二升五合」と書いて(ごしょうばいますますはんじょう)と読ませる当て字の面白さなどを講演で解説していただきました。 抽選で、ご参加の方の希望の文字を一文字、江戸文字で書いてプレゼントする実演も行なっていただきました。当選された方々はご自身の思い入れのある一文字を大事そうに持ち帰られました。 今回のワークショップ開催にあたり橘右之吉先生はじめ多くの方にご協力いただきました。こころより感謝申し上げます。※写真の無断転載は固くお断りいたします。