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2月5日、今年度の日本神話セッションの最終回を開催いたしました。今回は、三貴子の分治からうけいの場面まで。講師はもちろん、オロチ先生こと万九千神社の錦田剛志さん、司会は和樂ライターの高橋亜弥子さんです。当初は理事挨拶だけの予定だった倉嶋慶秀さんも、正願寺の住職の立場でご参加いただくことになりました。
まずは、伊邪那岐命が天照大御神、月読命、建速須佐之男命にそれぞれ高天原、夜の世界、海原を治めさせるところから。天照大御神と月読命は言われた通りに統治をしますが、須佐之男命は髭が拳8つ分に伸びるほどになっても泣きわめき、山は枯れ山になり、海や川は干上がってしまいます。伊邪那岐命が注意されると、須佐之男命は「自分は亡き母のいる根之堅州国(ねのかたすくに)に行きたいと思って泣いている」と答えます。その返答に怒った伊邪那岐命は怒って須佐之男命を追放してしまうのです。髭がそれほどまでに伸びるまで放っておくとは、かなりの年月が過ぎているはず。やはり親というのは末っ子がかわいいものなのでしょうか。「要するに、マザコンの甘えん坊の末っ子っていうことですよね?」と彬子女王殿下が言われると、「まあ、そうなんですけど、彬子さまのご先祖様なので、これ以上はごにょごにょ。。。」と錦田さん。ちなみに、須佐之男命とよく言われますが、正式名称は建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)。建速が名字のようにも思えますが、建は勇猛、速は勢いの激しさを表しており、勇猛で勢いのまま突き進む神という意味なのだそうです。
お母さんに会いに行く前に、お姉さんに挨拶をしていこうと高天原に向かう須佐之男命。山や川がどよめき、揺れたので高天原は大騒ぎ。「どうせいい心で来るわけではないだろう」と天照大御神は武装をして、須佐之男命に相対されます。須佐之男命は邪心がないことを証明するために、うけいをして子どもを産むことを提案されます。うけいとは聞きなれない言葉ですが、占いのこと。「明日天気になーれ」のように、まず靴がひっくり返ったら雨、横になったら曇り、ひっくり返らなかったら晴れ、などと最初に言いたてをしてから、物事を占うというものです。天照大御神と須佐之男命はお互いの持ち物を交換し、それを天の眞名井で清めてから嚙み砕き、ふーっと息を吐いてそれぞれ御子神を生まれます。剣と勾玉を噛み砕くとは、強靭な歯ですよね。口の中は血だらけにならなかったのかな?と考えてしまいます。
なんと今回のオンラインセッションはここでおしまい。うけいの結果はどうなったの?と気になるところで、来年度の神話セッションに持ち越しです。来年度のお話を楽しみにしていらしてくださいね。
最後に、錦田さんに参加者の方の質問にお答えいただきました。「海にはたくさんの神様がいますが、まとめるのが須佐之男命だったのですか?」とか、「統治って何をするのですか?」とか。前回のセッションの内容を踏まえた質問も寄せられ、錦田さんも「とてもいい質問です!」とうなっておられました。天照大御神と須佐之男命の喧嘩が、日本最初の兄弟喧嘩であるわけですが、倉嶋さんが、「神様ってそんなに激しく喧嘩するものなのですね」とぽつり。確かに慈愛の心の仏さまがそんなに激しく喧嘩している話は聞いたことがないですね。日本における神様と仏様の役割分担のお話もなんだか面白そうです。
次回のオンラインセッションは、2月27日。ごだん宮ざわの宮澤政人さんに桃の節句のお料理を教えていただきます。春らしいお料理楽しみですね。

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