8月28日、今年度3回目となるお料理教室「菊の節句」を開催いたしました。今回のお料理は、光琳菊の蓮根万十。講師は、木山の木山義朗さん、司会は和樂Web編集長の高木史郎さんです。お店の営業時間の合間にうかがっているため、今回はリハーサルも打ち合わせもできず、ぶっつけ本番。そこは百戦錬磨の高木さんの司会力が光るセッションとなりました。
菊の節句のお料理は、あまりお店でも出さないという木山さん。彬子女王殿下に料理のアイディアを尋ねるも、「菊酒しか知らない」と言われ、あれこれと調べてくださったそうです。栗ご飯も今の時期ではないし、茄子もあまり菊の節句を感じられないのでは?と、蓮根饅頭で菊の形を作り、菊花餡をかけるという華やかなお料理を考えてくださいました。
まずは、蓮根をすりおろすところから。蓮根の皮を薄く剝き、細かい目のおろし金で繊維に直角にすりおろします。木山に出張された彬子様もお手伝い。目の細かいザルで蓮根の水気を切り、置いておきます。厨房ではさっきまで水の中にいた車エビが、まな板の上を跳ね回って大騒ぎ。木山さんが背ワタを抜いてくださり、後の殻剥きを彬子様に託されたのですが、「まだぴくぴくしてるから無理!」と謹んでお断りされていました。
菊の真ん中用のかぼちゃを裏ごし。水分が少ない場合は水を足し、多い場合は火にかけて水分を飛ばし、小さく丸めます。サイズは彬子さまの爪の先程度。白髪ねぎは、彬子さまの人差し指くらいの長さに切って千切りに、などこのお料理教室でしか通じない説明が次々と飛び出していました。
次は、すりおろした蓮根に餅粉を混ぜて、菊の形に丸めて油で揚げます。今は新蓮根の時期なので、でんぷんが少なく、餅粉を混ぜますが、ひね蓮根の場合は餅粉の量を少なくするといいそうです。揚げている間に餡を作ります。お出汁に水溶き片栗粉(くず粉)でとろみをつけ、透明になるまで炊き、薄口醬油やみりんで味付けをします。下茹でした菊と海老を入れて火を通せば餡の完成。蓮根饅頭の上にかぼちゃを載せ、餡をかけて完成です。
餡は、カニや鶏肉などに変えてもおいしくいただけます。季節や気分によって、いろいろなアレンジを楽しんでみてくださいね。参加者の皆様も上手にできたようで、「おいしい!」という笑顔がたくさん見られました。
次回のお料理教室は、来年の2月。昨年米トーーク!にご登場いただいたごだん宮ざわの宮澤政人さんに桃の節句のお料理を教えて頂きます。どんなお料理になるのか楽しみですね。次回のオンラインセッションは、9月11日。学習院大学名誉教授の小林忠先生と日本画家の神戸智行さんに、日本美術の楽しみ方を教えて頂きます。楽しみにしていらしてくださいね。
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