8月8日、神楽をテーマにしたオンラインセッションを開催致しました。講師は、オロチ先生こと、万九千神社宮司の錦田剛志さん。司会はお馴染みめがちゃんこと、和樂ライターの高橋亜弥子さんです。
アンケートでも開催のご要望が多かった神楽。まずは、神楽という言葉の成り立ちから。「神を楽しませる」と書く神楽ですが、元々は「神坐(かむくら)」という言葉が変化したと言われています。つまり、「神の坐すところ」という意味なのだそうです。
神楽は、古事記と古語拾遺にある、天照大神の岩戸隠れの際、天鈿女が踊ったものが始まりと言われています。天照大神が岩戸に隠れてしまい、世界は暗闇になってしまいました。神々は集って、頭をひねり、様々な対策を講じます。天鈿女は、桶を伏せてその上に乗り、カズラや笹などを体に巻き、手にして、胸を露わにして踊り、集まった神々は大いに笑いました。その様子を怪訝に思った天照大神が姿を見せたときに、天手力男命が外に引き出し、世界には光が戻ったのでした。
このとき、神々は喜び、顔がみな明るく、白くなりました。これが「面白し」の語源。手を伸ばし、足を伸ばして歌い舞ったのが、手伸し(たのし)=たのしいの語源なんだそうですよ。
万九千神社の社中でも、多くに御神楽が舞われます。湯立神楽、剣舞、八岐大蛇が登場する八戸など、錦田さんのいいお声が響き、本当に清々しいものです。社中の皆さんは、皆神楽が大好きで、直会が大好き。若い人たちも神楽をやりたい!と入ってこられるそうです。直会がやはり楽しいからなのでしょうか。
神楽には、宮中の賢所や伊勢の神宮で舞われる御神楽、出雲を始め、青森、高千穂、平戸など、各地域で舞われる里神楽などがあります。それぞれ、地域性があり、同じ場面でも全然演出が違ったりします。平戸神楽は、口に剣をくわえ、二刀流で舞います。彬子女王殿下は、ロロノア・ゾロみたい!とおっしゃっていましたが、ワンピースを知らないパネリストは華麗にスルー。視聴者の方々には共感して下さった方がおられるでしょうか。
昨年の錦田さんの神話の講座が大変好評で、続編をというお声が多かったため、秋からは錦田さんによる古事記を読む講座が3回シリーズで始まります。ぜひお楽しみに。
次回のオンラインセッションは、8/28。菊の節句をテーマにしたお料理教室を開催致します。講師は木山の木山義朗さんです。どんなお料理になるのでしょうか。
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