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子どもたちに本物の日本文化の力を

開催地:北野天満宮(京都市上京区)

10月27日、北野天満宮で歌舞伎のワークショップを開催しました。 本来は7月に予定されており、台風で延期になってしまったことを残念に思って下さった方も多かったのではないかと思います。 秋の夜長の開催となり、ひんやりと寒かったと思いますが、無事開催できましたことにスタッフ一同安堵しております。 ワークショップは、中村勘九郎さん、七之助さんご兄弟による「歌舞伎塾」で幕を開けました。 お弟子さんの中村いてうさんが、素顔からお化粧をして、鬘や衣装を身につけ、義経千本桜の狐忠信に変身するまでを丁寧な解説付きで見せて頂きました。 その間子どもたちは、お芝居中の効果音であるカラスやウグイスの鳴き声が出る笛を体験させて頂いたり、舞台で見得を切る練習をしたり。 忠信の衣装のたすきが登場し、「これ持ってみる?」という呼びかけに、子どもたちが舞台に殺到!「うわ!」「おもーい!」とよろめいている子もいました。 そして、勘九郎さん、七之助さん直々にタイミングを教えて下さり、「中村屋!」のかけ声の練習を。会場全体からの「中村屋!」の合唱は見事なものでした。
休憩の後は、勘九郎さん、七之助さんによる「橋弁慶」の奉納です。 京都にもゆかりのあるこの演目は、五條橋での牛若丸と弁慶の出会いを舞踊にした作品です。 弁慶の力強い立ち回りと、それを翻弄する牛若丸の軽やかで優美な姿。皆がその一瞬一瞬の動きに見入っていました。 もちろん合間には、「中村屋!」のかけ声が。 練習の成果のある素晴らしいタイミングでした。
奉納舞踊のあとは、勘九郎さん、七之助さんが舞台から下りてきて下さり、全員で記念撮影。 そして、ご本殿で正式参拝を行いました。 夜の薄暗さとぴーんと張り詰めた静寂の中の参拝は、心がすーっと凪いでいくようで、皆の心が一つになっていることを感じられた瞬間でもありました。
このワークショップは、今は亡き中村勘三郎さんが彬子さまに「初代猿若勘三郎が初めて歌舞伎を奉納した北野天満宮で歌舞伎をしたい」とお話になったことに端を発しています。 その約束から約7年。勘三郎さんに舞って頂くことは叶いませんでしたが、お父様の思いを引き継がれた勘九郎さん、七之助さんにそのお約束を果たして頂くことが出来ました。 心游舎を始めるきっかけとなったのも、彬子さまが幼い頃、勘三郎さんと勘九郎さんの連獅子をご覧になり、本物の日本文化の力を子どもたちに伝えていくことの大切さに気付かれたことであり、勘三郎さんもその話に共感され、創設のときから心游舎の賛同者になり、応援して下さっておりました。 今回のワークショップは、そういった意味で、心游舎の原点ともいうべきものでした。 参加して下さったお子さんたちが、「家で見得を切っている」「歌舞伎のチケットを買ってほしいと言っている」というお話を伺い、我々も何が大切なのか、何をこれからしていくべきなのか、改めて初心に返ることができたように感じております。 ご協力くださいました中村屋一門の皆様方を始め、北野天満宮様、EO Osaka様、すべての皆様に心よりの御礼を申し上げます。

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