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草取り

開催地:新潟県北区大月地区

新型コロナウィルスの影響で今年はまだ訪れることができずにいた新潟大月地区の田んぼに7月12日に草取りに行ってきました。
昨年までは田んぼが乾いた8月に伺っていましたが、今年は栽培をお願いしている宮尾さんのご提案で、まだ水の張ってある田んぼでの草取りを体験してきました。
宮尾さんがおっしゃるには、稲という植物はポテンシャルが高く、田んぼに水が張ってあってもなくても生きていくことができますが、田んぼに生えてくる稲以外の草には水の張ってあるときに生える草、水のなくなったときに生える草があり、今回は水の張ってあるときに生えるコナギとホタルイが草取りの対象になりました。取った草は田んぼの外に出して駆除するのではなく、田んぼの泥の中に浅く埋めて光合成をできなくすると生育の環境が稲に有利になり、その他の草は稲の生育に負けて、有機物として土に帰っていくそうです。
柔らかい土にひざの下まで浸かり、腰をかがめながら草を取って埋めていく作業は重労働です。みんなで並んで同時にスタートしましたが、生えている草の量や個人の体力などで差は開いていきます。宮尾さんが話されていましたが、実際に手で草取りをしていた頃に農家だった女性たちに草取りを手伝ってもらうと、早い人は世間話をしながらも遅い人の方にさりげなく手を伸ばしてフォローしていく光景が見られ、大変な農作業にも人の暖かいつながりがうまれていたそうです。

記念写真や、農作業の際中は熱中症対策のためマスクを外しましたが、ソーシャルディスタンスを保つことを常に意識する作業となりました。今回残念ながら東京から貸し切りバスで移動する國學院大學の学生さんは参加できませんでしたが、地元の新潟大学のサークル、自然塾の方々はおのおの移動できるので参加してくれました。サークルの先輩が卒業後、農家になって以来のつながりが続いているとのことで、活動の広がりをうれしく思いました。

草取りを終えてアイスをいただきながら、昭和30年頃に撮影された女性たちの「やまぎもん」姿の写真を拝見しました。参加者の中から、「今日初めてやまぎもんを着せてもらって作業をして、日本人であることを細胞レベルで実感できたのですが、写真の女性たちのしっくりくるやまぎもん姿を見て、さらに自分の感覚の裏付けになりました。」と話している方がいて、米作りとその風俗は日本人の根源に根づいているものかもしれないと思いました。

今年は大雨や台風などの災害が少なく豊かな秋の実りの季節へと移り変わっていくことを願うばかりです。
今回も活動に当たり多くの方々のご協力をいただき厚く御礼申し上げます。

※写真の無断転載は固くお断りいたします。