オンラインショップ

会員ページ

暑くなったり、涼しくなったり、定まらない気候が続いていますが、体調など、崩されていないでしょうか?暑さ寒さも彼岸までですから、お彼岸を越えたら本格的な涼しさがやってきそうですね。

今回のコラムは、心游舎理事の森川太郎さんが、ライフワークともいうべき、お遍路さんの話を書いてくださいました。お遍路さんは、様々な回り方がありますが、心游舎総裁の彬子女王殿下は、学生時代に自転車でお遍路さんを回られたことがあるそうです。ずっと平坦な道もあれば、峠を二回も越えなければいけないときもあり、大変だったけれど、最終目的地にたどり着いたときにはとても達成感があったとか。徳島だけしか回らなかったので、いずれその続きをやってみたいと思っておられるそうです。

森川さんが、「同行二人」の話をしておられますが、コラムの中には答えがないので、こちらで解説。「同行二人」とは、「どうぎょうににん」と読み、二人連れのこと。弘法大師さんと常に共にありますよ、という意味です。四国の風を久しぶりに感じてみたくなりました。

____________________

みなさん「同行二人」って言葉はご存知でしょうか?

いつか社会的に引退した時には回るんだろうなと思っていたけど、ある先輩からのお声がけで回ることになった四国お遍路。初めはその先輩と二人きりで、回数が増えるたびに段々と人も増え、3回目からは経営者仲間7人と回っています。気がつけば生活の一部になっていて、現在は5周目です。始めた当時は30代前半で、地元の方達には「こんなお若いのに・・・」と言われたことも多かったのが、最近はそう言われることもすっかり無くなった(笑)

四国お遍路というものをひとことで説明するには到底無理があるので、誤解を恐れず私の主観で言ってしまうと、それは「願掛け」です。四国にある弘法大師が開山したと言われる八十八箇所の霊場を祈願して巡拝します。回り方もいろんな方法があり、「歩き」「自転車」「バイク」「自家用車」「バス」とそれぞれの手段に、1番から順番に巡拝する「順打ち」、88番から地図上反時計回りに巡拝する「逆打ち」、連続で一気に巡拝する「通し打ち」、数回に分けて巡拝する「区切り打ち」とさまざまです。因みに私のこれまでの巡拝は「歩き車順区切り打ち」です。八十八箇所のお寺も、見事な雰囲気のお寺、険しい山頂にあるお寺、寂しいところにポツンとあるお寺、お金の匂いがするお寺、それぞれです。

20年近くお遍路さんをしていると多くの人に聞かれるのが、「なぜ行ってるの?」なんですが、うまく説明できずに「あなたも行けばわかるよ」って答えるようにしています。今回はいいチャンスなので自分自身の整理も込めて、何故私は行くのか?を記してみます。

ベーシックには「願掛け」を持ちながらですが

①楽しい

 ある意味レジャー感を持っています。仲間7人と回っていますが実に楽しいです。

②苦しい

 一方で、心情的に心がざわついている時や、心に余裕のない時、険しい山道や延々続く先の見えない向かい風道等、苦しい時も多いです。

③穏やかな気持ちになれる

 心がざわついていたり迷いが多い時などは、なぜか心が落ち着きを取り戻したり自身が内観できたりします。

④スッキリする

 1日に3万歩を歩けばそりゃあ頭はスッキリします。

⑤最高の景色と会える

 四国の大自然、山、海、川、なかなか都会にいると味わえない景色に癒されます。そして1200年続くこの遍路道を昔の先達も同じ景色を見てたのかと思うと感慨深いです。

⑥素敵な出会いもある

 現地で出会う遍路仲間、ご接待いただく現地の方、宿の方等、99%くらいが受け入れ感がすごいです。

⑦仲間とのウォーキングトーキングコーチングドリンキングパブクローウィング

 8つの中ではこれが一番なのかも知れませんが、経営者仲間7人と1時間おきにローテーションで並列で歩きながら、仕事やプライベートや家族について近況や悩みを聞いてもらいながら聴きながら、経験シェアをもらい内観出来ます。もちろん一人で歩きたい時は誰とも並列せず一人で黙々と歩きます。

⑧達成感を味わえる

 そりゃあ、1,100kmの道のりをゴールすれば、達成感も最高です!

と、大きくはこの8つで、お遍路大先達さんたちからすれば本来とは外れていると怒られるかも知れませんが、50歳のまだまだ若輩な私にとってはこれが理由です。

今も昔も大きな観光産業でもあるこの四国お遍路ですが、年々外国の方も多く見られ、世界的にも有名になってきていました。ですが最近はこのコロナ禍で巡拝者も激減しています。同時に観光産業としても大きなダメージを被っています。せっかくYouTubeの影響とかもあり、若いお遍路さんも見られるようになってきた矢先なので残念です。なんとか早くこのコロナが終息し、多くの巡拝者が戻ってきて欲しいと願いながら今月も歩いてこようと思っています。