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関東や東北地方が梅雨明けしたとの発表がありました。東北地方では、四国や近畿、東海よりも早く梅雨明けするのは24年ぶりだそうです。

最近京都ではよく雷が鳴っています。雷が鳴るようになると、夏。もうすぐ梅雨も終わりだなぁと思いますが、先日心游舎でも大変お世話になっている上賀茂神社境内の木に落雷があったのがニュースになりました。落雷した木から煙が上がり、消防も出動しましたが、大事に至らずほっとしています。

以前出雲大社の宮司さまから、出雲では雷が落ちたとき、雷様があまらっしゃった(天下ってくださった)と言って、雷が落ちた家にお赤飯を持ってお祝いに行くのだというお話を聞いたことがあります。上賀茂神社の正式名称は賀茂別雷神社。賀茂別雷大神をお祀りしています。賀茂別雷大神は、いわゆる雷神ではなく雷を別ける「雷除け」の神様だそうですが、あまり普段会ってくださらない雷除けの神様に、雷様が会いに来られたのかもしれませんね。

今回のコラムは、梅雨明けして喜んでいるであろう、心游舎理事モミゾーこと小山良磨さんです。モミゾーのお母様は沖縄ご出身。沖縄遺伝子の入ったモミゾーはとてもアロハが似合います。

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気がつけば7月。令和3年も後半戦に入りました。

関東地方では梅雨明けが待ち遠しく、私の勤めている幼稚園・保育園の子どもたちにとっては照りつける夏の日差しと水遊びが恋しい季節となりました。そのような中、日本でいち早く梅雨明けを迎えるのは沖縄地方。日本の中で一番夏が似合う地域といってもいいのではないでしょうか。目に飛び込んでくるもの全てが色鮮やかな独特の色彩を放ち、どこか異国情緒漂う街並み、ユニークな建築や工芸品などを目にした方も多いかと思います。

現在、なかなか旅行が出来ない状況ではありますが、ぜひ沖縄にお越しの際は見ていただきたい工芸品があります。一つは紅型という琉球独自の染物、そしてもう一つが琉球漆器です。お土産としても人気でどちらも沖縄が琉球王国として栄えた時代から世界を魅了してきました。

かつては王族など身分の高い人しか着ることを許されなかった紅型。最大の魅力は原色を使った鮮やかな色彩です。その生命線とも言える色は石や土を砕いた粉を用いた顔料で作られてます。植物から取り出した染料と比べより濃く深みのある色になるのが特徴です。    

それらを幾重にも重ねて染めることにより立体感を出すことで、本物の植物や熱帯魚、珊瑚礁などに負けない色使いの着物ができあがるのです。

そしてもう一つが琉球漆器。琉球漆器は、中国から伝来した漆器の技法を巧みに取り入れ、独自の琉球漆器へと発展させてきました。もともと沖縄は漆の生産地としても大変恵まれた気候条件だったようであり、ディゴ、ガジュマルなど漆器の素材となる良質な木材を採取することが出来たのも漆器が発展した理由と言えます。

琉球漆器の特徴は、加飾技法が多種多様なことです。沖縄独特の加飾技法である「堆錦」は、中国の「堆朱」と言う技法からヒントを得て独自の発展を遂げ、立体的表現ができる技法として他にはない味わいを出しています。朱色漆と黒色漆の大胆なコントラストが美しい「花塗」など、鮮明で斬新な華麗さも人気です。他にも「沈金」や「箔絵」、「螺鈿」などの技法があり、その中でも目を引くのが螺鈿細工です。

螺鈿は貝の真珠層という部分を用いる技法です。琉球では夜光貝という上質な輝きと大きな真珠層が取れる貝を使用しました。熟練された職人技により厚い夜光貝の貝殻を0.07mmまでの薄さまで研ぎ、細工を漆器に貼り付けていきます。光の当て方によっては7色の輝きを放つ螺鈿細工。それによって施された龍や花などの模様は幻想的な美しさがあります。

かつて政治と信仰の結びつきが強かった琉球王国では、祭祀や儀式で漆の装飾品や首飾り玉などを使用しました。琉球の士族や王族はもとより地方でも、漆器は人と神を結ぶ儀礼の場所で使用されてきたのです。沖縄では神様だけでなく祖先や人々、自然にも礼節を重んじる「守礼」という精神が根付いています。紅型や漆器は天災や様々な厳しい状況の中で生きていかなければならない環境で感謝と畏敬の念を持った人々の精神が宿った工芸品と言えます。ぜひ皆様が沖縄に旅行できる時がきましたらこのような視点から沖縄を見てみるのもまた面白いかと思います。