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関東地方も梅雨入りし、湿気でなかなか洗濯物もからっと乾かない今日この頃ですね。梅雨の時期の必需品の傘ですが、日本ではいつごろから使われていたものなのでしょう。日本には、6世紀ころ百済からもたらされたといわれていますが、これは傘の周りに裂を張り巡らして房をつけ、長い柄をつけた長柄傘。儀式や外出の折などに、身分の高い人たちの頭上に家来が差し掛けて使うものでした。つまり、雨を避けるものではなく、日を避けるものだったのですね。英語で傘のことをumbrellaといいますが、これはラテン語で「影」を意味するumbraという言葉が語源ですから、西洋でも東洋でも、雨よりも日を避けることの方が重要だったというのが面白いですね。

日本で柄の短い雨天用の傘が使われるようになったのは、江戸時代。和紙に油を引いて、骨に貼ったいわゆる蛇の目傘が庶民の間でも使われるようになったのは、元禄年間のようです。意外と雨傘の歴史が浅いというのは、日本人はそれまで雨をあまり気にせず、付き合ってきたと言うことなのかもしれません。ちなみに、オランダの国立民族学博物館には、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが持ち帰った江戸時代の和傘が何本か保管されています。未だにちゃんと開けるのですから驚きです。当時から日本人の手仕事はレベルの高いものだったということでしょうね。

今回のコラムは、オンラインセッションで何度も司会をお務めいただいている、和樂ライターのめがちゃんこと高橋亜弥子さんです。めがちゃんの由来は、メガネのめがちゃんとか、メガトン級のめがちゃんとか、諸説あるのですが、旧姓が女賀(めが)なので、めがちゃんです。

ほんわかムードのめがちゃんの司会はとてもやわらかく、セッションをいつもとても和やかな雰囲気にしてくれます。直近のめがちゃん司会のオンラインセッションは、8月8日に予定されている神楽の回になります。お楽しみになさっていてください。
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「ファシリテーター事始め」

心游舎のオンラインセッションが開催されるようになって、早一年が経ちました。新型コロナウィルスの感染拡大の波が続き、今もなお、外出がはばかられる毎日が続いていますが、彬子女王殿下と心游舎のスタッフのみなさんは試行錯誤しながら、日本文化を伝える活動を続けられています。全国各地でのワークショップが開催できなくても、活動を続けよう––––。そうした思いで新しい挑戦となったのが、オンラインでのウェビナー講座やワークショップでした。

彬子さまから「めがちゃん(私のあだ名です)、今度のウェビナー講座、ほんわか担当で入ってくれませんか?」とご連絡をいただいたのは、去年の夏のこと。「ほんわか」だったか、「ふんわり」だったか、「のんびり」だったかは、忘れましたが、講座の場を子どもたちが見ても堅苦しくなく、楽しい雰囲気にする役ということで、気軽にお引き受けしたのがことの始まりでした。

まずはオンラインで打ち合わせを、ということで、彬子女王殿下、ウェビナー講師の先生、心游舎の事務局の方々が パソコンの画面上に集合しました。当日の内容などの話を伺っていくと、「資料の画面共有はファリシテーターさんにお願いします」という講師の先生のお言葉。ふむふむ。そういう仕事をする人もいるのだなと、私はのんびり構えていたところ、打ち合わせが進むうちに、なんと、自分がファシリテーターであることを知ったのです。

えっ!ファシリテーターってなに!?

慌ててパソコンで検索して、理解したのは、ファシリテーターとは、ものごとがスムーズに運ぶようにする進行役ということ。なるほど、これは、雑誌や書籍の編集者の仕事とほぼ同じかもしれません。取材、原稿書き、校正などの作業が円滑に進むように、その場にいる人々や状況に気を配り、体と頭を動かすのがいつもの私の仕事。……さあ、しかし。そうと分かっては、ただの「ほんわか」ではいられません。

まずは、進行を把握するため、打ち合わせ後に、ざっくりとした台本を作成。当日は、その台本をもとに、時間配分をしながらお話を進めていきます。初回は、講師の先生から送られてきた DVDが私のパソコンではどうしても動かず、テレビに映した動画を携帯電話で撮影して、それをパソコンで画面共有するという、アナログな方法で乗り越えました。その後も、スタート時間の数秒前まで画面に登場されない先生がいらっしゃったり、途中で音声が途切れたり、ドキドキすることもありますが、それもライブならでは、です。

この「ライブならでは」が、オンラインの醍醐味だと思います。本番では、彬子さまが打ち合わせのときにはない、つっこみを入れられることもあります。先日の講座では、禰豆子の着物の柄の話をふられて、講師の先生方と私、全員スルーしてしまうという失態をしでかしました(すみません、白状すると、私、『鬼滅の刃』をまだ観ていないのです! ちなみに禰豆子の着物の柄は、麻の葉文様です)。ああ、これじゃあ、「ほんわか」じゃなくて、「ぼんやり」担当になってしまう。

彬子女王殿下が画面上にご登場くださり、場所を超えて、視聴者のみなさんと一緒に、同じ時間を過ごしていただけるのは、オンラインだからこその貴重な体験です。東京、京都、東北や北海道、九州、海外の方ともパソコンの窓を通じて、つながることができます。彬子さまのとっておきのエピソードや講師の先生の興味深いお話に、頷いたり、笑ったり、思わず身を乗り出したり。毎回盛りだくさんの内容を、視聴者のみなさんと同じように、ファシリテーターも楽しんでいます。今年度もさまざまな講座が予定されていますので、また、パソコンの小さな窓を通してお会いできますように。これからもどうぞよろしくお願いいたします。