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宮尾農園でも田植えが始まっていますが、日本全国から田植えのニュースが聞こえてきますね。田んぼに水が張られ、若苗が植えられて、田んぼの水が鏡のように、青空を映している様子が本当に美しいと思うのですが、今年は梅雨が早いので、水鏡に青空が映る機会が少し少なくて残念です。

水は、ありのままの姿を映すことから、自然と自分の欠点を気付かせ、反省を促してくれるような人を「水鏡(すいきょう)の人」というそうです。人の模範となるのはなかなか難しいことですが、ありのままの素直な気持ちはいつまでも持ち続けていたいなと思います。

今回のコラムは、出雲大社禰宜で心游舎理事の千家徳比古(やすひこ)さんが、数日後に迫った出雲大社の大切なお祭りについて書いてくださいました。人見知りの、末っ子三男坊の徳比古さん。出会ったばかりの頃は少し距離を感じましたが、いつしか心游舎の仲間といるのは居心地が良いと言ってくれるようになりました。心游舎の中でも末っ子的な存在で、みんなから愛されています。

お祭りに参列することはできませんが、写真を見ながら、当日は出雲に思いを馳せ、お祈りをしたいと思います。
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出雲大社には年間に多くの祭典があります。

その中で今回は特別な祭典の一つである凉殿祭(すずみどのまつり)について紹介したいと思います。

凉殿祭は六月一日、まずこの日に御本殿におきまして御奉仕いたします。

午前九時より始まる月始祭に引き続いて宮司以下神職一同が、出雲森(本社から東方の約一〇〇メートルにある神社)に向かいまして御神木である椋の大樹にて粢団子(しとぎだんご)、醴酒(ひとよざけ)などをお供えして祭事にお仕えし、次に本社の銅鳥居東側にある御手洗井(みたらしのい)に向かいます。出雲森から御手洗井までは立砂がもられ、立砂が盛られている箇所は神様が通られる道であり、穢れが無い清らかな土地を意味しています。

宮司は出雲の森から神霊を迎えこの上に神職の置いた真菰の上を宮司が大御幣を奉持し、御手洗井にて黙祷祈念して神事を納めます。この際、宮司の踏んだ真菰をもらい受け、家でお祀りすると無病息災、五穀豊穣が実現するという信仰があります。篤信の人々は神が踏みしめた真菰であるということで宮司が通り過ぎた後、あらそうようにしてこの真菰をいただいて帰られます。

このような事もあり涼殿祭は古くから俗に「真菰の神事」とも呼ばれています。

例年は大勢の参拝者の方々が参列されますが、新型コロナウイルス感染予防の為に、残念ながら昨年は参列をご遠慮いただき、神職及び祭典奉仕者のみで御奉仕いたしました。

少しでも早く新型コロナウイルスが収束し、皆様が今まで通りに平素の生活に戻れるよう祈るばかりです。
そして参拝者の皆様が落ち着いてお参りに来られるようになれば良いと思います。