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2月12日は旧暦の1月1日。朔日というのは、月の始まる日のことですが、太陽と月が重なって見えなくなる新月の日のことです。昔は月の満ち欠けで暦が作られていたので、1日は必ず新月で、15日は満月。つまり、満月の日は必ず十五夜でした。旧正月は、一番立春に近い新月の日になるのです。

明治になり、西洋に倣って太陽暦が導入されたため、旧来の太陰太陽暦は日本人の生活から離れてしまいましたが、旧暦の方が日本人の生活に合っているのではないかと思う時があります。太陽暦では、3月3日に桃の花は咲きませんし、7月7日は梅雨の最中でなかなか天の川を見上げることはできません。年賀状で、「新春のお慶びを申し上げます」「迎春」「初春吉日」などと書くことがあり、こんなに寒いのに春?と思われる方もおられるかもしれませんが、このくらいの時期だと、梅が咲き始め、あたたかくなる日もあったりして、空気にも春の訪れを感じられるようになることを思うと、納得ではないでしょうか。春の始まりが一年の始まり。旧暦を意識してみると、新たな発見があるかもしれません。

今回のコラムは、お茶博士の徳淵卓さんが、ご自宅で楽しめる玄米茶のレシピを教えてくださいました。心游舎でもお米を作っており、心游茶とブレンドして玄米茶ができないかと試みています。まだ試作段階ですが、来年以降皆様にも召し上がっていただけるように開発をしているところです。それまではぜひ、ご自宅で手煎りの玄米茶をお楽しみくださいね。
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【香しい玄米茶を作ろう】

早春、梅の花もちらほら咲き始め、芳しく小さい春を感じられる季節になりました。これから三寒四温の気候、冬から春にうつろうあいだに香ばしく身体を温めてくれる自家製玄米茶の作り方をご紹介します。

なによりも焙煎した玄米の香りがとても良く、皆様にもこの香しい玄米茶で心と体を癒していただきたいと思います。

さて、玄米茶の歴史は大正時代から昭和の初め頃に京都の茶商が鏡開きの際に生じる餅屑を炒って茶葉と合わせた説や、飯釜の底についたおこげに茶を入れて喫した説など、調べてみると色々と面白い。お茶漬けのようにお米と茶の相性は言うまでもなく、玄米茶と名をつける以前からお米と日本茶の楽しみ方が日々の暮らしにあったのではと想像します。
一概に玄米茶と言いましても現在は玄米を使用するお茶屋さんは少なく、白米(精米)、もち米、玄米の原材料の中で、主に白米(うるち米)を炒ってつくられる事が多いようです。ご家庭で自家製炒り玄米茶を作る際はお米選びから愉しめますね。「手軽」とは言えませんが、ここでは「手間ひまかけて」実際に玄米を使った炒り玄米茶の作り方をご説明します。

1.玄米を洗い、お水に30分ほど浸します。
*はじめは半合くらいが目安

2.水を切った玄米をフライパンで炒り、パチンとはぜる音がして来たら、玄米が少しだけ浸かるくらい少量の水を加え、水分を飛ばしながら更に炒る。

3.お好みの色味、香りになるまで乾煎りする。弱火〜中火で焦げないように注意。

4.炒り玄米と茶葉をお好みの量を合わせて熱湯で約1分で抽出。
*茶葉5gに対して玄米5gくらい、お湯は250ml〜300mlが目安

5.香しい玄米茶のできあがり。

アドバイス
*玄米に水を含ませる事で香ばしさがより引き立ちます。
*上記はフライパン1つで作る工程ですが、事前に玄米を10〜15分蒸し、その蒸し米を炒る方法もあります。お好みでお試しください。
中弱火でじっくり炒っているとパチンパチパチと玄米がはぜて白いお花のように咲きます。このようにお米が白く咲くことを初花や餅花といい縁起が良いとされます。
また、2煎、3煎と玄米茶を淹れていると、はぜる前の玄米が急須の中でそっと咲く事もあります。そんな日は良い事がある吉日かもしれませんね。