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いつの間にやらもう師走。年々、一年が過ぎるのが早くなる気がするという話をしていたら、「10歳のの1年は十分の一だけれど、30歳の1年は三十分の一だから早く感じるのは当たり前」と言われ、なるほど。と思いました。
今回のコラムは、少し掲載が遅くなってしまいましたが、出雲の神在祭のお話を出雲大社禰宜で心游舎理事の千家徳比古さんが書いてくださいました。神在祭のことを「ぜんざいさい」とも言いますが、このとき出雲でふるまわれた神在餅(じんざいもち)が、なまって、「ぜんざい」になって京都に伝わったのではないかと言われています。
だんだん寒くなり、熱いぜんざいやお汁粉が恋しくなる季節になってきました。体を温めて、風邪を引かないようにしましょうね。
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季節も冬に近づき寒さが段々と増してきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は出雲大社のお祭りの中で神在祭についてご紹介したいと思います。旧暦十月十一日に合わせてお祭りをしますので今年は十一月十四日からの七日間になります。
この時期になると、全国から良いご縁を求めて多くの参拝者がお参りに来られます。
神在祭は旧暦十月には、全国から神々が出雲国にお集まりになり、神事の主宰神であります大国主大神の御許にて神々がつかさどる土地の事柄や縁結びのことなどが神議(かむはか)り、様々な会議をされます。したがって、この月を全国では古来より神無月といい、出雲地方では神在月と呼んでいます。
旧暦十月十一日の夜、国譲り伝承の聖地である稲佐の浜において全国の八百萬神々をお迎えする「神迎神事」が厳かに斎行されます。そして、十一日から十七日までの七日間、神々が出雲大社に神集いされます。そこで、この間は本社及び上宮(仮宮、稲佐の浜付近)において神在祭を斎行し、また参集された諸神のお旅社である境内の東西の十九社でも連日お祭りがお仕えされます。
昔からこの期間を神在ノ斎(かみありのいみ)と称し、神々の会議や宿泊に粗相があってはならないので土地の人は、謹慎斎戒して宮廷を払わず(宮掃除をせず)、家宅を営まず(家屋の大工仕事をせず)、舂杵をせず(土木工事をせず)、歌舞音曲を行わず(遊興音楽をせず)、最も静粛に保つことを旨とするので、このお祭りを御忌祭とも呼んでいます。
この神在月の時期は毎年風が激しく天候の荒い日が多く、錦紋のある海蛇が波に乗って稲佐の浜に浮かびよることがあります。一般にこれを「龍蛇様」と呼んで、八百萬神が出雲大社に集まるにつき、龍神の使い、神々のご案内役としていらっしゃると言われています。
出雲大社の神在祭が終わると、続いて八束郡の佐太神社で神在祭があり、最後に簸川郡の万九千神社より神々は国々にお帰りになります。出雲大社では十七日と二十六日に神々のために神等去出祭をお仕えします。十七日は出雲大社をお発ちになる日であり、二十六日は出雲国をお去りになる日です。
神在祭には、諸国の産土神が出雲大社に集まられ、様々な神議をなされ、特に中でも男女の縁を結ぶと言い伝えて、若い男女の参拝が特に多いようです。
近年はコロナ禍で以前より参拝者は少なくなってはいますが、今年もより多くの人達が良いご縁を結ばれればと思っております。
また、一日でも早くコロナが終息して皆様に平穏な日常が戻るように願っております。