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いつの間にやら師走。12月に入ったら、急に寒くなりましたね。こういうときは体調を崩しやすいので、気を付けねばと思います。

「今年は何もしないまま終わってしまう…」という声を最近ちらほら聞くようになりました。新型コロナウィルスのニュースに日本中が一喜一憂しながら、あっという間に過ぎてしまった1年のような気がします。でも、多くの方たちにとって、自分にとって本当に大切なことは、人は、ものはなんなのか、自分が今すべきことは何かなど、いろいろなことを考えるきっかけになった1年だったのではないでしょうか。少しでも心穏やかに新年を迎え、来年がよき年になるように祈りたいものですね。

今回のコラムは、心游舎理事で、東京大神宮権宮司の松山幾一さんです。東京大神宮でワークショップをさせていただくときは、心游舎理事として司会をしつつ、「ここからは東京大神宮の代表として歓迎のご挨拶をさせていただきます」と切り替えながら一人二役をこなしてくださる凄腕です。縄をなうのと書道が得意。いつもは万事控えめなのですが、縄ないと書道だけは自ら立候補して、嬉々としてやってくださる姿がかわいらしい松山さん。「東京のお伊勢さま」として親しまれる東京大神宮の代表らしく、伊勢の神宮のお話を書いてくださいました。

江戸時代は「せめて一生に一度はお伊勢さん」と、多くの人たちのあこがれだった伊勢の神宮。一生に一度とは言わず、何度も足を運んでいただきたいものです。なかなか旅行も行きづらい世情の今は、東京大神宮を始めとする伊勢の神宮の遥拝所を持つ神社を探してお参りに行くのもよいかもしれませんね。
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お伊勢さま参宮のすすめ

皆さまは伊勢の神宮に参拝したことがありますか?伊勢の神宮は伊勢神宮の名前で広く知られていますが、正式名称は『神宮』の二文字です。日本全国には、名古屋の熱田神宮をはじめ様々な○○神宮がありますが、『神宮』といえば、お伊勢さまを指します。

内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)では祀られている神様が違うことをご存知の方も多いと思います。内宮には、皇室の御祖先である天照大御神、外宮には食物・穀物を司る豊受大御神が、それぞれ祀られ、二宮は御正宮と呼ばれています。実は他にも神宮を形成する神々が祀られている神社が伊勢市内とその近郊にあります。御正宮の『わけみや』と呼ばれる格式の高い別宮14社をはじめ、摂社43社、末社24社、所管社42社の合計125社があり、その総称を『神宮』といいます。悠久の歴史と共に、スケールの大きさからも『神宮』は日本一の神社になります。

私は伊勢で学んだ学生時代にこの125社を全て巡りました。内宮から最も遠い別宮の滝原宮までは40㌔ほどで、明和町、鳥羽、磯部、その他の地域にもお社が点在し、1日では到底回りきれません。よって、地域を分けて休みの度に出掛けました。当時、125社めぐりという冊子(現在あるか分かりません)を片手に、邪道ではありますが車で巡りました。遠くからでも、こんもりと茂った鎮守の杜が見え、非常に分かり易いお社が多い一方で、だんだんと道幅が狭くなり、車を降りて、歩いて行くと、先へ進むことを躊躇するほど山深いところにあるお社もあります。そして中には、ホテル前の浜辺に建てられているお社や、地図を見ただけでは中々辿りつけないお社もありました。

まだ、神宮に行ったことがない方は是非、内宮・外宮それぞれをご参拝なさってください。太くて大きな神宮杉や木立、清らかな川の流れ、言葉で表現し難い空気感等々、実際に足を運んで自らの五感で感じていただくことが大切です。

今回、初めて125社の存在を知った方は、内宮・外宮だけではなく、その他のお社を巡ってみることで更に神宮への理解が深まると思います。
神々を訪ねる旅は、自然の中で神々に生かされている自分、また、日々の何気ない日常のありがたさに気づくきっかけとなるでしょう。

コロナ感染症が一日も早く終息し、来年こそは、ごく当たり前の日常が取り戻せるよう、皆様と共に祈りを捧げてまいります。