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人名由来の色――色の名から日本の文化がわかる!
前回に続いて色の話です。色の名には、植物から付けられたものが数多くあります。たとえば、「あかね色」「亜麻色(あまいろ」「桜色(さくらいろ)」「みかん色」・・花、実、葉などがその名の由来になっています。動物由来の名もあります。「うぐいす色」「とき色」「らくだ色」などです。

でもおもしろいのは、人の名前に由来する色ではないでしょうか。いずれも安土桃山から江戸時代に生まれた色の名ですが、「利休茶(りきゅうちゃ)」「利休鼠(りきゅうねずみ)」「芝翫茶(しかんちゃ)」「団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)」「梅幸茶(ばいこうちゃ)「璃寛茶(りかんちゃ)」「路考茶(ろこうちゃ)」などです。

「利休」はもちろん、茶人千利休(せんのりきゅう)のことです。「芝翫」は大坂の歌舞伎役者三世中村歌右衛門(うたえもん)の俳名、「団十郎」は歌舞伎役者五代目市川団十郎、「梅幸」は歌舞伎俳優尾上梅幸(おのえばいこう)、「璃寛」は大坂の歌舞伎役者二世嵐吉三郎(あらしきちさぶろう)の俳名、「路考」は歌舞伎役者二世瀬川菊之丞(せがわきくのじょう)の俳名で、それぞれの役者が好んだところから流行した色です。役者が好んだ色にその役者の名が付けられて、後世に残っているのですからすごいと思いませんか。それと、これらの色が、ねずみ色と茶色だということにも注目してください。江戸時代の人は、この二つの色をとても好んだのです。

日本人が身近なものから色の名を付け、それをどんなに大切にしてきたか、これらの名からもわかるような気がします。