「菜種梅雨」――日本語には雨の名前がたくさんある!
3月下旬ころから4月にかけて、何日か続けて雨がふることがあります。これを「菜種梅雨」と呼んでいます。ナタネはナノハナ(菜の花)の種(たね)のことですが、ナノハナの仲間の植物のこともそうよびます。ほかに、アブラナともいいます。春に黄色い花を付けた植物がいちめんに咲いているのを見たことがあるでしょう。それがナノハナです。「菜種梅雨」はこのナノハナが咲くころに降る雨だから、そのようにいうのです。
ところで、日本はけっこう雨が多い国だと思いませんか。そのためなのでしょう、日本語には雨を表すことばがたくさんあります。
私は以前、日本語で雨の名前を表していることばを集めたことがあります。すると、おもなものだけで何と400語近くもありました。たとえば、「にわか雨」「雷雨(らいう)」「とおり雨」「霧雨(きりさめ)」などは聞いたことがあるでしょう。おもしろいものだと、「きつねの嫁入(よめい)り」などというのもあります。これは日がてっているのに降る雨のことです。たぶんキツネに化(ば)かされたということなのでしょうが、なぜ「嫁入り」なのかはよくわかりません。
雨を表すことばは国語辞典にものっていますので、ぜひさがしてみてください