最近ぐぐっと寒くなる日が増えてきましたね。
今年は山の木々の色づきも早いようで、美しい紅葉が楽しめるような気がしています。
京都の街中では、修学旅行生やツアーの観光客の方たちを乗せた大型バスをよく見かけるようになってきました。やはり街が活気に満ちている様子を見るのは良いものだなと思います。
今年は、修学旅行がなくなってしまった学校も多かったようですが、修学旅行で見た景色や得た知識が思わぬところで役立つことがあります。
中高時代は、意味がよくわからなかったり、ありがたみに気づかなかったりすることも、大人になって訪れると、「あのときは何とも思わなかったけれど、奈良時代にこの大きさの大仏作るってすごいことだったんじゃない?」とか、「あのお寺で見た景色と同じ景色だ」などと気づくことがありませんか?
若いときにいろいろなものを見る、経験する、思い出を作るって大切なんだと大人になって実感します。修学旅行に行けた人も、行けなかった人も、大人の修学旅行に出かけてみると、新たな発見があるのではないかと思います。
今回のコラムは、そんな子どものときの気持ちに、心游舎に関わるようになって気づいたという心游舎事務局長の多田容子さんのお話です。
多田さんがいなくなったら心游舎は崩壊するというくらい、おんぶにだっこでお世話になっている多田さん。頼れるアネゴですが、アニキと呼ぶ人もちらほら。。。
大人になっても、子どものときの感性を忘れないようにしたいですね。
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「ピュアな感性」
今年は、新型コロナウィルスの関係で、オフラインでの開催は難しい状況にありますが、5月以降は月に2回程度のペースを保ちながら、試行錯誤しながらも様々な分野の先生方に協力いただきながらZoomを活用したオンライン配信を行って参りました。
パソコンの画面を通してではありますが、これまで以上に皆様と交流ができていることにとても嬉しく感じております。
さて、オンライン・オフラインに関係なく、これまでも数多くのワークショップを企画し、運営して参りましたが、毎回「はっ!」とさせられるのが、羨ましいくらいの子供たちのみずみずしい「感性」です。
つい先日開催した京都産業大学とのコラボ企画「言の葉ミュージシャンになろう〜作って詠もう和歌の世界〜」では、企画準備段階で学生たちと一緒に和歌を学ぶ時間もあり、彬子女王殿下から、「心游舎のメンバーも和歌を作って期日までに提出してください。」という課題が下りてきたのですが、まぁ、一首作るのに一苦労。。。
脳内でお仕事のスイッチを完全に切るという作業を経ないと、素直な感情を表現することすら難しくなってしまっている。
そんな自分からまず出てきたのは、
「はぁ、私、いつの間に大人になってしまったんだろう。」
そんなため息混じりの感情でした笑
その後、実際のワークショップ開催時に子供達から出てくる作品のなんと素直でピュアなこと。目や耳から飛び込んだ情報が、そのまま素直な感情にリンクし、それぞれの和歌に飾り気のないピュアな言葉として散りばめられており、おそらくそこにいた大人たちは皆、感動に近い感覚を覚えたのではないでしょうか。
見るもの全てが新鮮で、刺激的で、興味そのものに直結していた子供時代と、経験を積み、知識も増えた今とでは、様々なものの見え方は違っているかもしれません。
ですが、例えば夜空を照らすお月様を見た時のストレートな感動や、深く心を揺さぶられるような経験、頭で考える前に感じる直感的なもの。。。
今の自分の頭の中をもっともっとフラットに、自身のピュアな感性に寄り添いながら、そんな感覚を日々の生活に生かす事が出来たなら、こんな素敵な事はないですよね。
最後に。。。
心游舎は、「日本の伝統文化が生き続けることができる土壌を形成したい」、そしてその核となる子どもたちに「本物の日本文化にふれる機会を提供したい」。
そんな想いをベースに、活動しています。
が、子どもたちにとっては、日本文化云々の前に、おそらく体験学習の場は「未知との遭遇」であり、ドキドキワクワクが溢れる場。そこで体験したこと、記憶に残ったことが、子供たちの「感性」を育て、興味に繋がる。そしてそれらが育まれ、やがて日常となる。
文化って、こうして育んでいくものなのかも知れませんね。