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京都はぽかぽかとあたたかい1日でしたが、関東の方は雪と言うことで、日本は広いんだなぁと感じさせますね。このままあたたかくなるわけではなく、寒さも戻ってきそうですが、このあたたかさで北野天満宮の梅は一気に花開くような気がしています。
今日のコラムは心游舎代表理事のモミゾーこと、小山良磨さんです。お寿司が大好きで、日本全国のお寿司を食べ歩いては、報告だけしてくれるモミゾー。なぜ誰もつれて行ってくれないのでしょうね。
お寿司に欠かせないものと言えば、がり。お店でそれぞれ味が違うので、食べ比べてみるのも楽しいですよね。最近知ったのですが、がりは口直しの意味もありますが、元々がりはおしぼりとして手を拭く役割があったのだそうです。生姜にはジンゲロールという殺菌効果がある成分が入っており、手を湿らせるのと同時に消毒もできたのですね。科学的な知識がないのに、そういうのがわかっている昔の人はやはりすごいですね。
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季節と日本食の美を気軽に体験できる江戸前の粋「寿司」
気がつけば令和4年も1ヶ月が過ぎ2月に入りました。
流行病はまだまだ落ち着きませんが、それでも私たちに癒しや安らぎを与えてくれるものの一つは「食」ではないかと思います。家族の皆で囲む温かな「おうちごはん」が一番ですが、どうしてもたまには家庭では出せない味を求めて外食がしたくなります。
「お店でなければ食べられない!」という味を求めて、ということもあるのですが何か気分を変えたい、自分と向き合おうと思った時外食はしたくなるものではないでしょうか。
私はそんな時に出かけるのが寿司屋さんです。
それぞれのお店で違う炊き立てのご飯に絶妙な加減の酢を合わせ、混ぜるのではなく「切る」という表現を用いて作られたシャリ、季節ごとに変わる魚や貝類をそのままではなく「寝かせる」「締める」「漬け込む」などいわゆる一仕事の手間を加えたネタ、そしてその二つをまとめ上げ一つの味に握る職人の腕。材料は家庭で揃えることができても絶対に真似のできない味の世界でしょう。
立春を過ぎ、もう春の魚の季節になってきます。和食や寿司の世界では季節感を特に大切にしていますので二十四節気の移ろいとともに楽しまれる方も多いと思います。それぞれの季節の移ろいを魚や野菜で感じることができるのも寿司の魅力です。
その魚が出たての頃は「走り」、まさにベストの時期は「旬」、そして終わりの時期になると「名残」という言われ方をします。この3シーズンでも味の違いを楽しむことができます。寿司はまさに海の味とお店の味、同じ魚や貝でも取れた場所が違えばその味の性格も変わります。代表的なのは鮪や牡蠣でしょうか。そしてお店によって、使っている米や酢、醤油の種類も違えばその使い方も違います。季節の数だけ、産地の数だけ、素材の数だけ、そしてお店の数だけ寿司の味があるのです。
ある職人さんが「寿司に完成などない」と言っていたように宇宙のように無限に広がる世界でありその楽しみも無限です。その世界の中で目の前にある道をひたすら歩まれている職人さんの色々なお話を聞くことは自分と向き合い、成長を与えてくれる時間でもあると私は思っています。
このコラムを書くにあたり「寿司」をテーマにして少々後悔しています。その味と魅力をお伝えするには言葉ではあまりにも足りなさすぎるからです。
ぜひ寿司屋さんにお出かけの際は五感で味とともに移りゆく季節とそのお店での素敵な時間を楽しまれてはいかがでしょうか。