蝉の声がにぎやかな京都です。公園や街路樹には蝉の抜け殻がたくさんあって、これだけの蝉が出てきて鳴いていたら、この音量になるなと納得します。
そういえば、外国の人は虫の声が聞こえないのだそうです。それは、外国の人が虫の鳴き声を音楽をつかさどる右脳で聞くので、雑音として処理してしまうから。日本人は、言語をつかさどる左脳で聞くので、声として認識するのだそうです。せっかくの能力ですから、虫の声にこれからも耳を傾けたいですね。
今回のコラムは、博多のお茶博士、徳淵卓さんが夏にぴったりの冷たいお茶の淹れ方を教えてくださいました。冷たいお茶をおいしく淹れて、暑い夏を乗り切りましょう。
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涼やかに水出し煎茶をつくろう
夏本番になりました。日中の暑さをしのぐためにも、冷たい緑茶が身体や心の渇きを潤してくれます。皆様にもこの夏、茶葉を水で抽出する水出し煎茶で、心と体を癒していただきたいと思います。
さて、冷たいお茶の歴史はごくごく最近の話で、1980年頃から缶入りの緑茶に始まり、90年代からペットボトルのお茶が大きく広がりました。もっと以前から飲まれていたのかと調べてみましたが、なかなか辿り着かず、茶の角度よりも食文化としての角度で見たほうが意外と面白いかもしれません。やはり冷蔵庫の普及がないと、生水や冷たい飲み物は衛生上好ましくなく、水から抽出する水出し茶より、湯を沸かし温かく喫する日本茶が当たり前だったと思います。きっと茶の効能を最大に生かし、熱々の沸いた湯で淹れ、自然に冷まして飲んだのだと考えます。
さて、現代では冷たく美味しいお茶が手軽に楽しめるようになりました。また水出し茶を一晩冷蔵庫で抽出することにより、身体の免疫力がアップする成分もここ最近発見されました。さらなる日本茶の効能が我々現代人にとって、とても身体に良い飲み物だという事が改めて解りました。茶が日本に伝わり1300年くらい、今更ながら日本茶って本当に凄いですね!まだまだ日本茶の魅力が未来に隠されているのではと考えております。
水出し煎茶の作り方 ※急須編
①急須と煎茶をご用意ください。
サイズにもよりますが一般的な300mlの急須を基本とします。
②たっぷりめに茶葉を10g程度急須に入れます。
③お水を急須にたっぷり注ぎます、また氷も追加して入れておくと良いです。
ゆっくりゆっくり低温で抽出され、さらに美味しくなります。
④冷蔵庫で一晩寝かせてください。
⑤翌朝、冷たく美味しい水出し煎茶が出来上がります。
補足
水出し茶専用のボトルなど沢山の量も作る事ができるお道具もありますので、上記を目安に色々なお道具とさまざまなお茶で是非ぜひお試しください。