日本の伝統文化を支えるヒトやモノが今危機に瀕しています。大量生産・大量消費が当たり前となってしまった現代において、日本で古くから行われてきた手間ひまかけた手仕事や、師匠から弟子へと受け継がれてきた芸能は、多くの若者にとっては経験したことのない非日常であり、過去の遺物になってしまっているのです。
文化というものは生活の中に息づいてこそ文化と言える、と私は思います。既に過去の遺物になりつつあるものを保全するだけでは文化を救うことはできません。現代社会の生活の中に取り入れ、日常の一部として生かすことができなければ、我々の記憶にある日本の伝統文化は衰退の一途をたどるばかりです。
「心游舎」という名前は、このプロジェクトに参加して下さるたくさんの方たちの心が遊ぶ、心を遊ばせられるような場所になればよいな、と思いつけたものです。心游舎の活動の目的は、日本の未来を担う子どもたちが、少しでも多くのよき日本文化の記憶を持ち、 それを未来に伝えて行くための場を再生することです。
かつて文化人が集い、文化の発信拠点であった神社や寺が心游舎の活動の場の中心です。 その場所で、さまざまな分野で活躍する伝統芸能や美術工芸の担い手、日本の歴史・文化の研究者たちが、子どもたちに「本物」の日本文化を伝えます。それぞれの地域で育まれてきた伝統文化に注目し、楽しみながら生活の中に取り込んでいく。そうして、現代社会に日本の文化を残す新たなカタチを創造します。
入会していただきました方々の会費、ご寄付いただきましたご浄財は、講師への謝礼を始めとする心游舎の運営費として使わせて頂きます。皆様のご理解・ご協力を偏にお願い申し上げます。
心游舎総裁 彬子女王
あきこじょおう
1981年12月20日、寛仁親王殿下の第一女子として誕生。
学習院大学を卒業後、オックスフォード大学マートン・コレッジに留学し、日本美術史を専攻。
海外に流出した日本美術に関する調査・研究を行い、2010年に女性皇族としては初となる博士号を取得。
主な著書に「最後の職人ものがたり: 日本美のこころ」、「日本美のこころ」、「京都 ものがたりの道」、「赤と青のガウン」など。
〒604-0012
京都府京都市中京区竪大恩寺町753 ロワイヤル室町 311