【日本文化の入り口マガジン 和樂web】にて連載中の「彬子女王殿下と知る日本文化入門」の最新号が掲載されました。
夏祭りの季節になった。年々暑さは厳しくなっているような気がするけれど、花火大会や夏祭りのために、浴衣を着ている人たちを見かけると、さわやかな風が一瞬吹き通ったような気持ちになる。
子どもの頃は、夏祭りの屋台でわたあめやかき氷、りんご飴を買うのが楽しみだった。ピンクや水色の大きなわたあめは、絶対食べきれずにしぼんで固くなってしまうのがわかっているのに、なぜかいつも食べたかった。お祭りでしか食べられない食べ物だったからだろうか。手や口はベタベタになるし、舌は真っピンクや真っ青に染まる。今思えば、なんと体に悪そうなものを喜んで食べていたものかと思うけれど、昼間の暑さがじんわりと残る宵闇の空気と、たれやソースの焦げる匂い、甘い砂糖や油の匂いが入り混じった「お祭りの匂い」と共に、忘れえぬ夏の記憶として、今も深く心に刻まれている。
■伝統を未来に繋ぐ。「お祭り」を大切にする町の力【彬子女王殿下が次世代に伝えたい日本文化】
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